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サイコ・ゴアマン(PG:Psycho Goreman)【映画感想】サイコゴアマン、略してPG!★★★★(4.0)

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あらすじ

プレティーンの兄妹ルークとミミは、自宅の庭を掘り返した際に謎の光る石を見つけて持ち帰る。しかしそれは「悪夢の大公」と呼ばれる銀河を滅ぼす凶悪なエイリアンを封印していたものだった。

よみがえったエイリアンは強大な力を持つその石(プラクシディケの宝石)を返すよう兄妹を脅すが、クレイジーなミミはまったく動じず、むしろその石を利用して言うことを聞かせてしまう。エイリアンをサイコゴアマン(略してPG!)と名付け、兄妹は交流(?)を深めていく。

一方、「悪夢の大公」が復活したことを知った銀河の「テンプル騎士団」は、彼を殺すため最強の戦士パンドラを地球に送り込む……

 

 

『マンボーグ』『ファーザーズ・デイ』『ザ・ヴォイド』のスティーブン・コスタンスキの新作です。

 

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庭で光る石を見つけて持ち帰ったら悪魔がよみがえっちゃう、なんてあらすじから87年のキッズホラー『ザ・ゲート』なんかを連想しました。

 

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確かにその辺りの、80年代リバイバルらしい雰囲気のある、監督の持ち味が発揮された作品になっておりましたね。

先週、北米で上映&オンデマンドが始まりましたが、日本リリースがいつになるかわからず、我慢できずに海外版で鑑賞。クソ英語力なりに頑張って英語字幕で観たよ!

 

とりあえず言えることは、

 

ちょう楽しい!!めちゃくちゃ、楽しい!!!

 

 

 

深夜のニチアサ

海外のレビューで「ゴアゴアパワーレンジャー」なんて言ってる人を見たんだけど(うますぎる笑)、体裁は着ぐるみ特殊スーツの特撮キッズムービーなんですよ。

ただ、血飛沫と内蔵が飛び散るだけで。

まあ、言うなればR指定のニチアサ(笑)。

実際、インタビューとかでも仮面ライダーやハカイダーやゼイラムにインスパイアされたって話してて、こいつぁガチだなって感じです。

 

スティーブン・コスタンスキ監督(および彼が参加しているAstron6の作品)のコンセプトって、80年代リバイバル、とくに「レンタルビデオ・深夜放送映画」へのオマージュなんだと思うけど、そこに自分のルーツを見事に悪魔合体させてるんだよね。

そういう、作り手の好きなものだけで構成されてるんだな、ってのが観ていてもすごく伝わってくるから、めちゃくちゃ楽しいんです。

 

とにかくね、サイコゴアマンはもちろんだけど、敵キャラも含めて特殊スーツ勢がまじでいい。クオリティもめちゃくちゃ高いし、さっき言ったようにハカイダーや仮面ライダーのオマージュを感じるデザインもあるんだけど、アイデアは独創性に富んでいると思います。

 

わたしが特に好きだったのは「DeathTrapper」という死体を積んだ洗濯機みたいなフォルムのやつ。ホースから血のりを放出するだけ、ってう攻撃のアホさも含めて大好きでしたね。

 

日本語をしゃべる敵もいて、そこは日本ヒーロー特撮へのリスペクトなのかなと思って嬉しかったりもして。そいつも最後は頭をもがれてひどいことになってましたけど(笑)。

 

製作風景。楽しいなぁ。

 

 

基本はホームコメディ

それから、人間キャラも最高にいい。

特に主役となる兄妹が、

ちょうかわいい!!

妹ちゃんのミミは、PGが敵をボコってる様子を見ながら「クール!」とか言っちゃうクレイジーな女の子って役なんだけど、「子どもらしいイっちゃってる感」みたいなのがすごく出ててめちゃくちゃ良かった。これまた笑顔が最高なんだ。

映画に出てくる生意気な「クソガキ」ってわたし大好き。ちょうかわいいよね。

なんだかんだ妹に逆らえないお兄ちゃんのルークくんもすごく良くて、多分ミミちゃんはあんな感じで友だちがいないから、ルークくんはそれもわかってて付き合ってあげてるのかなぁ、なんて感じてぐっときちゃった。

 

兄妹が「クレイジーボール」っていう独自ルールのボール当てゲームで遊ぶシーンから映画がはじまるんだけど、あの意味のわからない遊びの感じがねー、まじでうちの子を見てるみたいだった(笑)。

我が家の兄弟も「お前に有利すぎるだろ」「いやなんなんそのルール」みたいな遊びを勝手に編み出して遊んでるからね。

クレイジーボールももしかしたらそんな遊びなのかなぁと思ってほっこりしちゃった。

 

そう、この映画、終始ほっこりするんですよ。基本は家族コメディなんですよね。

ちょっといびつな主従関係にある兄妹、家族の関係が、衝突によって再び団結する、という話でもあるんです。

もちろん、サイコゴアマンとの異種交流も主軸にあるわけで、ラストはちょっと感動させられちゃう(いや、まじです)。

なので見た目はめちゃくちゃな映画なのに、観終わってみると「ほっこりホームコメディだったなぁ」という気持ちになるんですよね……(しみじみ)。

とはいえラストは「めでたしめでたし風だけど全然めでたくなくね?」みたいなおかしな雰囲気になるのもまた、この監督らしいよなぁ。

 

まぁ、多分にマニア向け感のある作品なので大々的に公開されることはないだろうけど、来年の未体験ゾーン辺りで上映して欲しいなぁ。

 

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作品情報
  • 監督 スティーブン・コスタンスキ
  • 脚本 スティーブン・コスタンスキ
  • 音楽 Blitz//Berlin
  • 製作年 2020年
  • 製作国・地域 カナダ
  • 出演 Nita-Josee Hanna、Owen Myre、Adam Brooks、Alexis Kara Hancey