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ファイティング・ダディ 怒りの除雪車【映画・ネタバレ短評】ダディが強すぎる。邦題が酷すぎる。 ★★★(3.0)

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あらすじ

除雪作業員として町の住民からの信頼も厚い、ニルス・ディックマン。ある日息子が薬物の過剰摂取で死んでしまう。しかしそれがあるマフィアの仕業だと知ったニルスは復讐を決意。悲しみと怒りを拳に込めて、憎き奴らに制裁を!

 

 

 スミマセン、またノルウェー映画です。

ノルウェー映画と言えば、やはりスウェーデンの扱いを観るが楽しみになりつつあるんですが、主演のステラン・スカルスガルドはスウェーデン人なので、ノルウェーでは「移民」と扱われるシーンがありました。またしても一筋縄ではいかない北欧事情を垣間見た気分。

 

 

良い方のジャケ&タイトル詐欺

ひどいよね~このジャケと邦題(笑)

確かに嘘は言ってない。「ダディがファイティング」するのは事実だし、怒りはせずとも除雪車が復讐の道具と化すシーンもある(けど期待されるような使い方はしない)。このタイトル&ジャケだとB級アクション好きは手に取るが、多分そう言うのが好きな人はがっかりするだろうと思う。今作は真面目な(?)フィルムノワール寄りの映画だと思います。

 

 ニルス(ステラン)は息子がマフィアのヤク運びをそれとは知らずに手伝わされており、その仲間が一袋ヤクをくすねたせいで、マフィアのボスから目をつけられて殺されてしまうんですね。

 「息子は薬物なんかやらない!」と警察に訴えても「親御さんはみんなそう言うんですよ」と一蹴され、妻はショックで若干気が触れ気味。逃げてきた息子の友人からことの真相を聞いたニルスは一人でマフィアへの復讐を決意、息子殺害に関わった人間を一人、一人と消して行く。しかし彼の行動がマフィア同士の抗争を引き起こし、結果的にマフィアは殲滅されたのでした。…なんとなく既視感のあるストーリーではある。

 唐突にゲイ描写が出てくるからどうしたもんだと思ったらきっちりと伏線回収。いろんな人が巻き込まれて、「おいおいどうなるんだよ!」って最後まで素直に見入った。でももう少し短くしてくれてもよかったかなー。

 

  人が死ぬたびに暗転して名前と十字架(信仰している宗教のシンボル?)で弔ってあげるのだけれど、一瞬しか出てこないような「お前誰やねん」な人まで弔うところや、大量死の弔い方の雑さには爆笑。あ、これ笑っていいのね、っていう(笑)。あと、滝から落とされる時、死体が「アーーー」って言っているように見えて面白かった。ラストの希望通りの除雪車の使い方にも笑った。あれ、コメディだったの?

 

 それから、わたしが大注目しているデビッド・サクライさんがコスい殺し屋役でちょろっと出てて得した気分(彼はデンマークの俳優さんです)。ステラン・スガルスガルド目当てで観ましたが、意外な掘り出し物でした。

 

 

作品情報
  • 監督 ハンス・ペテル・モランド
  • 製作総指揮 ペーター・ガルデ、ハンス・ペテル・モランド、ステラン・スカルスガルド
  • 脚本 キム・フップス・オーカソン
  • 製作年 2014年
  • 製作国・地域 ノルウェー、スウェーデン、デンマーク
  • 原題 KRAFTIDIOTEN/IN ORDER OF DISAPPEARANCE
  • 出演 ステラン・スカルスガルド、ブルーノ・ガンツ、ポール・スヴェーレ・ハーゲン、ヒルデグン・リーセ