ファンタスティック映画主婦

雑食つまみ食い系映画感想ブログ

ちえりとチェリー/チェブラーシカ動物園へ行くーー夏休みの思い出に、初・親子ミニシアター!

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あらすじ

風邪をひいてしまったゲーナに代わり、ワニとして動物園で働くことにしたチェブラーシカ。しかし、それを物陰から聞いていたシャパクリャクは新たないたずらを思いついて…。

 

 

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あらすじ

ちえりは想像力豊かな女の子。けれども大好きなお父さんを亡くしてからはより一層自分だけの世界に閉じこもるようになっていた。友達は、大切なぬいぐるみ「チェリー」だけ。父の法要で訪れた祖母の家でお母さんと喧嘩してしまったちえりは、チェリーと二人、屋敷の中を探検しはじめるが…。

 

 

 

 

 

チェブラーシカがね、わたしも子どもも大好きなんですよ。

大きな耳にかわいい声、小さな手足にとぼけた言動。あのかわいさは犯罪並み。キュン死に案件ですよ!

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もうかわいすぎて死ぬ!(笑)

 

そんなわけで新作が公開されると聞いてとても楽しみにしていたのですが…残念なことに関東の上映館はユーロスペースのみ。

渋谷までは家から一時間近くかかるし、ましてや子連れでミニシアターなんて…とあきらめかけていたのですが、今日は1日の映画の日サービスデーだし、せっかくだから行ってみよう!と思い立ちまして。

こんなかわいく言われたら行くしかない。
間もなく5歳になる息子を連れて、久々のユーロスペースに行ってきました。

 

カウンターの横にはチェブ&ゲーナのパペット人形と、ガラスケースに入れられたちえりとチェリーが置かれていました(どうやら先月行われたイベントでも披露されたもののようです)。

 

パンフレットは900円。ちょっと割高に思えますが、2作品分の脚本が載っているし、ボリューム的には適正価格かと。

座席は6、7割くらいは埋まってたかなぁ?子連れ親子もチラホラいました。ちなみに、吹替は10:00〜の一回だけなので気をつけて!(16:40〜の回は字幕です)

 

 

 

 

初・子連れミニシアター!注意すべき点は?

わたしもユーロは久しぶりでちょっとドキドキ(笑)。子どももいつもと違う映画館の雰囲気に少し緊張気味。

ユーロスペースの座席は指定制ではなく先着入替制なので、子連れなら特になるべく早めに行って早い順番のチケットを買っておいた方が無難ですね。でもロビーは狭いので、子どもと待つには少し心許ない。階段の方へ移動するか、一旦外に出たりした方がよいかも(今回は到着するとすでに入場がはじまっていたので劇場内で待ちました)。

あと、小さな映画館は子供用の座席に取り付ける補助座席(チャイルドシート)のようなものは用意していないことがほとんどなので、背の低い子だと、座る場所の選択も要注意です。場所によっては前の座席や前の人の頭にだだ被り、なんてことも…。

うちは前に人のいない前方の通路側席に座りましたが、案外一番前でもよかったかもしれません。

あと、映画館のお楽しみ「ポップコーン」がないのに少しがっかりしてましたね〜(笑)。

子どもは少しかしこまりながら、最後までおとなしく映画を観賞。シネコンなどとは違う雰囲気を味わって、何かしらを感じてくれたならわざわざ遠出して観に行った甲斐もあったかな〜と思います。

ちなみに、ユーロスペースは中学生以下500円という良心的な料金設定です。また子どもとも観られるような作品が上映されたら一緒に行きたいな、と思いました!

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本当はこっちも観たかった…。

 

 

 

というわけで前置きが長くなりましたが、以下、映画の感想です!

 

 

 

チェブラーシカ動物園へ行く★★★★(4.0)ーー安定のかわいさのチェブ。毒はないけど味もない?

いや、チェブが「(ワニ役を)ぼくがんばるよ〜」とかかわいい声(折笠富美子さんです)で言ってる時点でほぼ気持ちは満点なんですけど。

ただ、まぁ…それだけっていう所もあり。原作やソ連製の短編アニメーションでは、随所に社会主義っぽさというか、どことなく毒を含んでいて、それがまたよかったんだけど、以前公開された日本主体の劇場版も今作もその辺りがごっそり抜け落ちているような気がしますね。子ども向けにはわかりやすくていいのかもしれないですけど。

でも、チェブがかわいいから良いのである!

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風邪をひいてしまったゲーナを気遣うチェブ。濡れタオルをのせてあげてるけど、絞ってないからびちゃびちゃだからね(笑)。

 

もちろん、ゲーナやシャパクリャクなどのおなじみキャラも大活躍。わたしはレフ・チャンドルが好きなので、彼の出番が多いのも嬉しかった!

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「レフ」はロシア語でライオンという意味。ロシア人男性に多い名前です。レフ・トルストイとか、レフ・テルミンとか。

 

最後にはチェブの「ばんざーい(ウラー)!」も聞けて、大団円。安心して子どもと観られるアニメでしたよ。

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パペットの動きもスムーズ。映像のきれいさもあって、コマ撮りアニメだってことを忘れそう。 

 

 

ちえりとチェリー ーー喪失を乗り越える、少女の成長物語に泣く!★★★(3.0)

実はチェブより映画的にはこっちがメイン。以前の劇場版チェブラーシカを監督した中村誠さんが脚本&監督を、アニメーションのチェブラーシカを生んだ、レオニード・シュワルツマンがキャラクターデザインを担当。

細部にこだわりのみられる、良質なパペットアニメーションでした!

 

アメリ並みの妄想力で周りの世界を自分流に作り変えてしまうちえり。小6の割に幼すぎる気もしましたが、父を喪った喪失感から多分時間が止まっているっていうことなのだろうな。

想像したものを具現化してしまうちえりは、しまいには死神まで生み出してしまう!パペットらしいぎこちない動きのおかげで一層怖い!!

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見た目や動きはほぼ貞子…。 子どもはビクついていました。この死神はちえりの「死への恐怖」の具現化なんですね。

 

ただ、少し気になったのは、大人のセリフがどうにも説教くさく思えてしまったところ。「死んでしまってもそばにいるよ」というメッセージ(この映画は被災した東北の子どもたちのために作られたそう)を、ファンタジックな世界観で強く訴えかけたかったのは理解できるのですが、少しくどく感じてしまった…。

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チェリーはちえりにとって、父親の代わり。星野源さんの落ち着いた声質もいいですが、わたしとしてはもう少しコミカルな演技の方が物語の世界観には合っていたように思いました。

 

でも、現実を受け入れ、イマジナリーフレンドと決別して大人になるという展開は、ディズニーの「インサイド・ヘッド」でもありましたが、思わずうるっときてしまいますね。

わたしも子どもの頃はお気に入りのぬいぐるみがあって、いつも話しかけていたなぁ。そういえばあのぬいぐるみ、どこにやったんだろう…?

 

そんなわけで、大人は少女の成長物語として、子どもはドキハラな冒険物語として楽しめる良作です!

…だからもっと上映館を増やしてくれたらいいのになぁ。