あらすじ
宇宙に響き渡る不気味な声…それは、死んだと思われていたシスの暗黒卿パルパティーンのものだった。
宇宙全体が不穏な空気に包み込まれるなか、スノークを倒し最高指導者となったカイロ・レンは抵抗する星を次々に制圧。全銀河を手中に治めんとする彼はパルパティーンをも殺すためシスの星エクセゴルに向かう。しかしそこで宿命の相手・レイについてあることを知らされる。
一方、壊滅的な被害を受けたレジスタンスたちも、最終決戦に向け着々と準備を進めていた。そしてジェダイとして目覚め修行を積んでいるレイは、シスを倒す手がかりが師ルークの書物に記されていることに気づく。
フィン、ポーらと共に旅に出るレイを、複雑な気持ちで送り出すレイア。彼女に残された時間はあと僅かだった…
2014年から続いた「続三部作」の三作目であり、スカイウォーカー・サーガの完結編。光と闇、善と悪、ジェダイとシスの戦いに、ついに終止符が打たれる。
相変わらずどうでもいい前置き
はっきり言って、本作の予告編を最初に観たときは全然ワクワクしなくて。なんとなく前作『最後のジェダイ』(大傑作)を無視してるように見えるのがすっごい嫌だったんですよね…。
あと、この2年間『最後のジェダイ』アンチの方々の心ないことばを見るにつけ、ほんとこのシリーズ好きな人ってめんどくせ…、ゲフンゲフン、こだわりが強すぎるんだなぁと思って、わたしみたいなにわかが入る隙なんてもともとなかったのよねぇ~なんてちょっと冷めた気持ちでいました。
まぁぶっちゃけ、コレン・トレボロウが外れてJJになったって時点で結構期待値は下がってたんですけどね。
とはいえずっと追ってきたシリーズだし、我が家の7歳児の「早く観たい!」って言葉にも後押しされて公開直後の日曜日に観てきましたよ。
そしたらさぁ…
オープニングから号泣(笑)。
いやまじで自分でもびっくり。なんかねー、テーマ曲が聞こえてきた瞬間にこのシリーズのことと同時に、わたし自身のこれまでの5年間のことも一緒にぶわぁ~っと思い出されてきてね。
1作目の時は隣の7歳児もまだ幼稚園にも入ってなかったなとか、あぁもう家族の恒例行事もなくなるのかとか、じいじと孫とわたしをむすび付けてくれた作品も終わるんだなとか…
スピンオフ2作を含め祭りのような5年間が終わるのは感慨深いものがあるし、レイちゃんやカイロ・レン、フィンたちにもう会えないんだなぁと思うと、やはり一抹の寂しさがよぎりましたね。
やっぱり、スターウォーズとこのシリーズがわたしは好きだったんだなぁと改めて感じましたよ。
結果、「不満100点、だけど、
エモさ10億点!!!!!」
という頭の悪そうな感想になりました。
以降も「エモ」「エモエモのエモ」「エモ萌え」とかまともなことはなに一つ言わないバカっぽい感想が続きますので、
本当のSWファンは読まない方がいいです。
ていうか読まないで!!(笑)
以下ネタバレバレ~
ちなみにこれまでのスターウォーズ関連の感想はこちら。
(まぁ、本作をこの中に入れるなら、映画だけの評価だと7位と8位の間くらいかな~って感じ)
カイロ・レンの物語
やっぱりね、この「続三部作」はカイロ・レンの物語だったと思うのですよ。
大人に失望し、自分に失望し、愛を求めながらもそれを得られず、そのことで闇に堕ちていったカイロ・レン。
プリクエルのアナキンに近いものがあるけど、ただ彼には信念みたいなものはなくて、目の前にあるものを単に破壊しているだけのように見える。
本作はそれが最初のシーンから現れてて、ライトセーバーを振り回しながら敵をなぎ倒す姿は強くてかっこいいけど、ずっとどこか痛々しい。
言うなればカイロ・レンの破壊衝動は、自傷行為なんですよね。
この人はずっと、自死への願望に近いものを抱いていたように思う。父であるハン・ソロを殺し、スノークを殺し、シスの力を得ようと躍起になるその姿は、必死になって自分を傷付けようとしているようにしか見えない。
だから自分を殺してくれる唯一の存在(だと思っている)、レイに執着する。まるで早く自分を止めてほしいとでもいうかのように、何度も何度も彼女の前に現れ、手を差し出す。
もちろん、それは「手を組むため」じゃない。救いを求める手なの。
だから、レイに自分のライトセーバーで貫かれた時はどこかほっとしたような表情を見せる。「これでやっと終わる」とでも言いたげに。
レイから救われた後、彼の目からは怒りが消えている。多分あの時、カイロ・レンは死んだ。そして、ベン・ソロとして生き返る。その命を、最終的にはレイに託す。
彼の最期は本当に切なくて、観る前は「レイちゃんとカイロ・レンがくっつくとかいう安直な終わり方だったらまじでキレそう!」とか思ってたんだけど、むしろ今は彼が幸せになれなかったことに対してキレそう(笑)。こんなに不憫な主人公今までいた??
てかキスしてそのまま死ぬとかさー!もう童貞を弄ぶのもいい加減にしろーー!!!(号泣しながら)
いや、もうレイロ(二人のカップリングを巷ではそう呼ぶそうな)のキスシーンはまじでダメダメで「するなよーするなよー絶対するなよー」案件だったわけだけど、でもいざベン・ソロが死んじゃったことを思うとそれに比べたら、
二人の子どもがrise up!=rise of Skywalker
でも良かったんじゃないかとか思ってる自分がいるよ…(まだ泣いている)
あとはもう、カイロ・レン(というか続三部作)に関しては、この役の一連の感情の変化を見事に演じきったアダム・ドライバーが全てですよ。この人はやはりただ者じゃなくて、どんなにポンコツな姿をさらそうが(腹に穴の空いた服着てても)、彼が出てくるだけで一気に画面がキマる。オーラがあるんだよね。
レイちゃんのピンチに駆けつけた時は「あ、カイロ・レン着替えた?」とか思ってもうエモエモの萌えエモでしたね。かわいすぎる(笑)。
旧三部作の面々の物語
また、当たり前だけど本作は「スターウォーズ」シリーズの実質的な完結編でもあるわけだよね。
ep7でハン・ソロが、ep8でルークが、そして本作ep9ではレイアがその生涯の幕を閉じた。今後もスターウォーズじたいはドラマや続編やスピンオフが作られる予定だけど、旧三部作の主人公たちの物語としては本当に最後。レイアとルークがその幻影を見せるラストシーンは、長年シリーズを追ってきた人たちは余計に胸を打つのではないでしょうか。
また、賛否ありそうだなと思ったのは「レイアも実はジェダイとしての訓練を受けていた!」という点。おそらく『最後のジェダイ』でレイアが火事場のバカフォースを使ったことで方々から非難されたことへのアンサー(要は尻拭い笑)なんだろうけど、わたしとしては大アリでしたね!
そもそもレイアだってアナキンの子なんだから普通に考えてあり得ることだし、むしろそれを一作目の段階で出してきても良かったんだよな。レイアのライトセーバーとか、もうめちゃくちゃエモエモのエモ太郎っすよ。いや、尻拭いとか辻褄合わせとかでなく、むしろ必然で、あれをしれっと出してきた『最後のジェダイ』はやっぱり傑作だったと改めて思った次第(笑)。
あとね、クライマックスで民間の宇宙船が空を埋め尽くすシーンは、『最後のジェダイ』で撒かれた希望の種の結果(そして『ローグワン』の希望の光が消えてなかったことの証)だと思えてね…エモさ倍増。
ファミリーネーム、それは意思表示
あと、
レイちゃんが、実はパルパティーンの孫だった!!
というのは『最後のジェダイ』派のわたしとしてはかなり「はぁ?」って感じではあるんだけど(個人的には彼女の出自については公式には沈黙を貫いて欲しかった)、とはいえ、「どんな人間になるかは血筋や出身は関係ない」という着地をしたのはとても良かったと思います。
レイちゃんが自分の意思で「スカイウォーカー」を名乗る最後にはやはり、ぐっとくるものがありましたよね。
親無し子のレイが初めて口にするファミリーネーム。それは、「自分が何者なのか」を知らしめる意思表示でもあります。どんな未来を選択するか、何を目指し、誰と共にあるか。
レイはジェダイとして、フォースと共に生きることを選ぶ。そんな彼女を見守る二人の師であり親代わりでもあるルークとレイア。
ラストシーンで、レイのそばには戦いを共にしたフィンやポーの姿はなく、隣にはBB8しかいません。けれど決してレイは一人ではなく、彼女の中には「ジェダイの全て」が宿っている。もちろんそこにはベン・ソロも。完全版でレイちゃんの隣にCGでプラスされる未来が見える…(妄想)。
また、ルークの故郷でレイが旅を終えたことで「スターウォーズ」という一つの物語の円環が閉じられたように思えて、なんかもう何も言えねぇって感じです。
あと、レイちゃんのライトセーバーも、かなりエモエモで、柄が黒で光は黄色(黄金)なのね。黒い柄はもちろんソウルメイトであるカイロ・レン=ベン・ソロを意識してのことだし、光の色は基本ジェダイは青か緑(時々紫)、シスは赤系と言われてて、そのどちらにも属さない(あるいはどちらにも属している)レイちゃんは新しい色の光を放つ。
ジェダイでもシスでもない。善でも悪でもない。平和な宇宙を照らす光(レイ)。そんな彼女にふさわしいライトセーバーだと思いますね。
最後に
「死者の口が開いた!…ってなんだよ(爆笑)マイナス20エモ」「ジェダイの声大集合にエモマックス(わたしは吹替で観たけど、どうやらヘイデン・クリステンセンは新録だったらしい…500エモ)」「なめくじ最高500エモ」「真のラストキスに200エモ」「ポーの成長に200エモ」「相変わらずかわいいローズ100エモ(でももうちょい活躍して欲しかった)」「パサーナでの追いかけっこがep6の前半とep1のポッドレースが合わさったみたいで1000エモ」「イウォークが出てきただけで加点10000エモエモ」などなど、まだまだいろいろ書きたいことはありますが今日はここまで!
とにかく、5年間本当に楽しかった。
このひとときを味あわせてくれたSWには感謝しかないし、リアルタイムで楽しめてほんとよかったのなと思います。多分あと5年ずれてたら子どもと観てたかどうかもわからないし、ブログにだって書いてなかったかもしれない。
今の時期にこの時間を過ごせたこと、とても幸せに感じます。
どうもありがとうスターウォーズ。これからもわたしは生きるよ。
フォースと、共に。
作品情報
- 監督 J・J・エイブラムス
- 脚本 J・J・エイブラムス、クリス・テリオ
- 音楽 ジョン・ウィリアムズ
- 製作総指揮 カラム・グリーン、トミー・ゴームリー、ジェイソン・マクガトリン
- 出演 デイジー・リドリー、アダム・ドライヴァー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ
- 製作年 2019年
- 製作国・地域 アメリカ
- 原題 STAR WARS: THE RISE OF SKYWALKER