ファンタスティック映画主婦

雑食つまみ食い系映画感想ブログ

ホラーじゃないけどめちゃくちゃ「こわい映画」

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こんにちは。ご無沙汰しております。

ちょっといろいろあって(いや何もないんだけど)ブログへの意欲がだだ下がりで怠けておりました…。またゆるゆると再開していきますのでよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

 

こわい映画って何よ?

ってことを最近よく考えています。ちょっと前に某フィルマークスさんのホラー関係の記事がプチ炎上してて(むしろわたしは晒されてるこの流れの方が怖かった(;´д`))、「何に恐怖を感じるのか?」は人によって違うのだなぁ、と改めて感じています。

 

わたしは怖がりなので、「怖がらせよう」として作られたものはだいたい怖いんですけど(お化け屋敷とか絶対無理)、お化けや殺人鬼などの要素は全くないのに自分でもよくわからないけど「めっちゃ怖い!!」て映画はあると思うんです。

多分わたしにとっての本当の「こわさ」はそこにあるんじゃないかなぁなんて、そんなことを考えたりしてます。

 

なのでその辺りを踏まえつつ、今回は

 

ジャンルとしてはホラーじゃないけど、(わたしの中では)めちゃくちゃこわい映画

 

について書いていきます!

 

あくまでも(わたしの中では)なので、中には「え、なんで?どこが怖いの?」という作品も含まれているかもしれません。

まぁゆるっと書いてますのでね、ゆるっとお付き合いくださいませ。

ではさっそくどうぞ~

 

 

冤罪よりも怖いもの

偽りなき者

偽りなき者 [DVD]

子どもの何気ない一言から、性的虐待をしたとして逮捕されてしまった男。全く身に覚えのない罪で糾弾され、疎まれる彼に救いはあるのか…

 

いやー、これは怖いよね。ほんと怖い。

何が怖いって、適当な理由付けで冤罪被害に遭うって、それだけじゃないんですよ(いや、それももちろん怖いんだけど)。

誰も信じてくれない、冤罪が晴れても「正義の名のもとに」糾弾しようとする輩が後を立たないってところなんですよねー。

今なんてインターネッツが発展して、ちょっと何かあるとすぐ特定班が確証もなく「犯人はこいつだ!」とか言って顔写真とか晒すでしょう。

こういう「おれさまがせいぎだ!」みたいな人たちこわさを、この映画は描いてるんだと思います。そして何より恐ろしいのは、自分が被害者にも加害者にもなり得るということ…

 

そしてそれは、悪意のない子どもたちにも言える。わたしたち大人は彼らを簡単に被害者にも加害者にもしてしまえるんですよ。

そのことを、忘れてはいけないと思いますね。

映画のクララちゃんの将来を想像すると胸が痛む…

マッツがかっこいいことだけが救い。

 

わたしの感想はこちら

 

 

騙されない自信はありますか?

コンプライアンス 服従の心理

コンプライアンス -服従の心理-

ファーストフード店にかかってきた一本の電話。警察と名乗る電話の主の「店員に窃盗の疑いがある」という話を鵜呑みにした従業員たちは、女性店員の服を脱がし、とんでもない身体検査を行っていく…

 

アメリカで実際に起きた「ストリップサーチいたずら電話詐欺」事件を元にした映画。

ストリップサーチいたずら電話詐欺 - Wikipedia

ちょっと、これが実話だと言うのはにわかには信じられないですよ。いやいやお前たち…バカなのか?と(苦笑)。

でも、「あれ、おかしいな?」と思っても、警察だとか上司だとか権威のある人間の命令にはほとんどの人が無条件に、ある程度従ってしまうと思うんですよ。警察官の制服ってだけでなんとなく信用してしまったりするでしょ。

だから、ここまでのことはないとしても、誰にでも起こりうる事件なんじゃないかな…と思ったりもして。「やらされてる」という意識は、善良な人も残酷な行動に走らせる動機になる、というのはほんと怖いです。

特にファーストフード店みたいな、マニュアル通りの仕事をやり慣れてる人にとってはね。そこに漬け込まれたというところはあるかもしれません。かといって彼らのしたことを擁護はできませんけど。

自分の頭で考えて良心に従って行動する。当たり前のことのようだけど、このことは常に頭に置いておきたいです。

(ちなみに、映画でオバサン店長を演じたのはアン・ダウドさんね。おかげで『ヘレディタリー』で出てきたとき真っ先に「こいつ怪しい!」てなりましたわ…)

 

こっちも一緒に観ておきましょう。

 

アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発 [DVD]
 

 

 

いとも簡単にあちら側へ

ありふれた事件

ありふれた事件 [DVD]

息をするように人を殺すベンと、そんな彼に密着する撮影クルー。傍観者だったはずのクルーたちも次第にベンの狂気に取り込まれていき…

 

これは人殺しが題材だし、一応ホラーなのかな?

中身としては強盗殺人を生業としている男に密着するという体のモキュメンタリーで、それ以上でも以下でもないんですが、このクルーたちが犯罪に加担していく(させられていく)過程がねー、すごく怖くて。

いや、殺人者のドキュメンタリーを撮るって時点でどうかしてるのは間違いないんだけど、彼らは彼らなりの矜持をもって撮影に当たっているんですよ。

だけどそれがあっさりと、いとも簡単に崩れていく様がリアルですごく嫌だった。

殺人、ダメ、ゼッタイ!

 

 

ラストシーンにゾッとする

恋はデジャ・ブ

恋はデジャ・ブ (字幕版)

田舎町のお祭りの取材にやってきた人気お天気キャスターは、町に泊まった日の翌日、目覚めるとまた同じ日を繰り返していることに気づく。何をやっても抜け出せないタイムリープ地獄の中で、彼は自分の生き方を見つめ直していく…

 

タイムループ+ラブコメの名作として有名な作品ですが、わたしは最後、ループから逃れた主人公が取る行動に思わずぞっとしてしまったんですよねぇ。

だってあれ、完全に「砂の女」でしょ…?「お前本当にそれでいいのかよ?」と思ってしまうんですよね。

そもそも、ループを重ねるうちに「どうせ戻るから」といって簡単に自殺してしまう件だって、普通に考えたら怖いよね(笑ったけど)。

いや、人生の気付きを与えてくれる素敵な作品なんだろうとは思うし、ビル・マーレイもかわいくて楽しい映画なんだけどさ…なんとなくこう、ぞわぞわするんですよねぇ。

わかってくださる方いるかしら…??

 

 

本当はこわい家庭の医学

ハングリーハーツ

ハングリー・ハーツ(字幕版)

運命的に出会い恋に落ちた男女。子をもうけ幸せの絶頂かと思いきや、妻は妊娠出産の果てに神経質になり、独自の育児法を実践していく。その方法に子の危険を感じた夫は、妻の妄執を解こうとするが…。

 

ヤバヤバのヤバです。

奥さんは本気で子どものためだと信じているんです。そこには愛と正義しかないんです…だから余計つらいし、こわい。

てかねー、この奥さんみたいな人たちを、わたしは知っているんですよ…

ワクチン、農薬、放射能、西洋医学、肉食…そういったものを悪だとして受け付けない人たち。軽度だと、市販の加工食品は食べない人とかね…。まぁわたしはその辺の主義主張はご自由にどうぞって派なんですけど(ワクチンに関しては周りのためにもちゃんと受けて欲しい)、この映画は、そういう人たちを改心(といっていいかわからないけど)させる方法はない、としてしまっているんですよね。

あと、この奥さんは明らかに異常ですけど、程度の差はあれど、夫と妻で子の育児方法の対立が起こることはあると思うんですよ。でも映画では、最終的に夫&義母VS妻という構図にしちゃうところもすごいぞっとしましたね…。監督さんの実体験が多少なりとも反映されてるんじゃないか、とか勘ぐってしまいたくなりました(苦笑)。

あと異様なのは、子どもの名前をあえて一切出さないこと。つまり、子は親たちにとってただの所有物としか描かれてないんですよ…こわいこわい。

すっごい悪意のある、めちゃめちゃ性格の悪い人が作った映画(褒めてます)だなと思います。

 

 

理不尽すぎる復讐

Alexandra's Project(アレクサンドラの企て)f:id:minmin70:20190920134153j:image

日々の生活に鬱屈を抱えていた妻が、夫に対して行う信じがたい復讐を描く。夫が帰宅すると、家から妻子の痕跡が全て消えていた。残されていたのは1本のビデオテープ。そこに映った妻は夫への不満と怒りをぶちまけていく…。

 

オーストラリアのハネケ(と勝手に呼んでる)ロルフ・デ・ヒーア監督の作品。

この人は、30年以上外に出たことがない知的障害者の男を描いた『Bad Boy Bubby』(「アブノーマル」とかいうクソ邦題がついてる)やオーストラリアの田舎町を舞台にした未知との遭遇系SF映画『Incident at Raven's Gate』(これまた「エンカウンターズ~未知への挑戦~」とかいう変な邦題になってる)など、かなり独特な映画を撮ってる人です。(どちらもVHSしかないかも。いい映画だから円盤出して欲しい…)

本作も奥さんから理不尽な三下り半を突きつけられた旦那さんの不条理劇になっています。銃撃されたり、あられもない奥さんの姿を見せられたりと、まぁまぁの地獄です。グロいとかではなく、精神的にキツイ話ですね…。

復讐として一番怖いなと思ったのは、「子どもには会わせない、写真も残さない。あなたのことは忘れさせる」と言われるところ…

親としてこれほどキツい復讐はなくない?

 

こちらにもちょっと書きました。

 

 

無防備さが怖い

台風クラブ

台風クラブ [DVD]

台風が近づく地方都市。学校に取り残された中学3年の少年少女たちは、嵐の到来と共にその鬱屈した感情を爆発させていく…

 

こわいです、この映画。最初からずっとこわいです。

思春期の子どもたちの危うさを描いた青春映画として観れば、瑞々しく情感豊かな作品だと言えるのでしょうが、わたしは素人の綱渡りを延々見せられているような気持ちがしてずっと心臓がバクバクでしたね。「何か悪いこと」が起きる予感がずっとしているんです。

工藤夕貴演じる高見理恵が、東京で大学生のアパートについていく件とか、そのあまりの無防備さがほんと怖かったです。大西結花が男子生徒に襲われそうになるシークエンスも「早く終わって!!」って感じでしたね…こわいよぅ…

わたしがこの映画を観たのは大人になってからなんですけど、多分だからこそ怖いと感じたんでしょうね。「そうだったかもしれないかつての自分」を見せられているような気持ちになるから。

でもそのジリジリとした緊張感が、本作の魅力でもあると思います。

 

 

と、思いつきでつらつらと書いてみました。

わたしはおそらく、自分の経験や想像の果てにある映画が「こわい」んですね、きっと。

「そうなるかもしれない」が怖いというか…

まぁそれも、人それぞれですよね。

 

あなたの「こわい映画」はなんですか?