どうやら今年も半分が過ぎたっぽい。信じられん。
というわけでスチャチャッと上半期ベストなどを。なんとなく昇順にはしてますが、順位はつけていません。そもそも、ベスト「テン」でもありません……(苦笑)
よろしければどーぞ!(*´・∀・)つ
とりあえずのお気に入り9作
シンクロニック
頻発する不審死はタイムトラベルができるドラッグのせいだった!?余命間近の救急隊員の男は、相棒の娘を救うため危険なタイムトラベルを行うことに……
とっても楽しみにしていたベンソン&ムーアヘッドの新作!かなり高めだった期待値をまったく裏切らない面白さでしたね。
とにかくねー、『キャビン・イン・ザ・ウッズ』から続いてる、彼らの描く「友情」の形がほんとぐっとくるわけ。
個性的なSF設定もユニークだし、とにかく、とても好き。ほんとよかった。
プラットフォーム
数百の階層に分かれた「穴」と呼ばれる部屋の中で目覚めた男。ここですることはただ一つ。上の階層が食べ残した物を食べること……。当然下の階層に行けば行くほど食べるものはなくなっていく。男はこのシステムを変えるため、ある行動を起こす。
いやぁ、めちゃくちゃ面白かったよね。
おそらく多くの人が論じている思いますけどこれ、政治の話なんですよね。絵面はジャンル映画だけど。
階層を格差ととらえるならば、作中食卓として登場する「台(プラットフォーム)」は、食事だけでなく、お金や福祉その他我々が生きるために必要な「土台」の暗喩でもあるわけです。
そして主人公がその上に乗って行動を起こすとき、それは「演説台」となる。
暴力と屈服によって一定の秩序はもたらされるかもしれないけど、結局それは長くは続かない。なぜなら我々「有権者」が気にすべきことは、「その日の食事」だけではないから。
政治の本質をついた「伝言」に胸を打たれる、醜悪で崇高な一作。
ちなみに2度ほど泣きポイント来ました。わたし涙腺が狂ってるので。
デスゲーム的な安直な結論にいたらない(というかその先を描いてる)ところも評価したい。勝手に人集めて殺し合いさせて「これが人間の本質なのだぬわははは~」とか言ってる志しの低いデスゲーム主催者に是非観て欲しいね!
フィールズ・グッド・マン
陽気なカエルのキャラクターだった「ペペ」が、作者の知らぬ間にネットミーム化し、やがて差別主義のシンボルとなってしまったという嘘のようなホントの話のドキュメンタリー。
これもめちゃくちゃ面白かった。
作者の手から奪われた創作物を取り戻そうとする戦いの記録であり、ここ10数年におけるインターネッツの秀逸なドキュメントでもある。
インターネッツ民たちが信じる(信じざるを得ない)「物語」と現実の隔絶に胸が痛んで、なんだか泣けてきたんだよね……。
あと、日本のあるコンテンツが分断を生み出した構造を後押ししていたのでは?と思うところもあって、なんだか苦いものが込み上げてきたよ。
最後の「ヘザー」ってのは、ヘザー・ハイヤーさんのことだったのかな?
『SNS 少女たちの10日間』とか『ハイゼ家100年』とか、今年は面白そうなドキュメンタリーがたくさんやっていたんだけどね、なかなか観られなかったなぁ。
ザ・スイッチ
めっちゃ泣いた。涙腺がガバなので。
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サイコ・ゴアマン
めっちゃ笑った。ただのバカなので。
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ラブ&モンスターズ
人類以外の生物が巨大化、人間たちは地下に隠れ住んでいた。離れ離れになってしまった恋人が他の居住地で生きていると知った青年が、彼女に合うためモンスターだらけの地上に出ていく。しかし青年はヘタレでビビり。ソッコーで餌にされそうになるが……!
映画観たのは去年なんだけど、今年ネトフリ配信されたから入れちゃってもいいかな。
とにかくイッヌですよあなた。そして巨大化した生き物たちのかわいらしさと絶妙な嫌さね(笑)。最高すぎる。
コロナ禍に効くメッセージとしてもアツくて、繰り返し観たくなる一作。とても好き。
樹海村
これも相当良かったなぁ。村シリーズ新作の『牛首村』も楽しみ。
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野球少女
「女性の社会進出」だのいつも耳障りの良いこと言ってるけど、実際どうなのよ?って話。
めちゃくちゃ爽やかで、かつアツくて、やっぱり韓国映画の底の厚さはすごいなーって思った。
影響受けやすいミーハーだからさ、これ観たあと早速イ・ジュヨン目当てで「梨泰院クラス」も見始めちゃったわよ!!(してやられた)
感想はこちら
【イチオシ新作映画!】『野球少女』女性の社会進出を青春映画で描く感動作! | 映画board
事件物件 呪縛の連鎖
父と子の事故物件修繕。GEO先行レンタル作品。
詳しくはこちらをどうぞ!
決められない10位以下
ザ・優柔不断枠。
Swallowスワロウ
エンドロールが最高すぎたよね。もうね、今年のエンドロール大賞あげちゃう!
『透明人間』にはなかったものが、この作品にはあった。素晴らしい。
『スワロウ』
— ナオミント (@minmin70) 2021年6月3日
どうせまた、わがままだの自分勝手だのと言うのだろう。自己責任だの被害者面だの自業自得だのだのだのだの
一つ言っておくが、あんたらに一体何がわかる?
飲み込んだのは欲望じゃない。吐き出して吐き捨てて、全部水に流したのだ。たった一つ、きらめくものだけを残して
その名は、尊厳 pic.twitter.com/o2MqnwtMYy
アンコントロール
エンタメ寄りなデンマーク版『レ・ミゼラブル』。すっごくハラハラしたし、ずーんと重たい。多分だけど『ギルティ』と同じ世界線の話なのかなって思った。
『アンコントロール』
— ナオミント (@minmin70) 2021年4月22日
巡回中の警官二人が移民地区で人種問題に端を発する暴動に巻き込まれる、アクション多めでエンタメ性の高いデンマーク版「レ・ミゼラブル」
不安と恐怖は憎悪と怒りに変わり、暴力が暴力を呼ぶ。どこでボタンをかけ違えたのか?緊迫感と焦燥感が持続する、警官映画の新たな傑作! pic.twitter.com/DrazcRLPWI
ロストマーメイド(原題:Mermaid down)
こちらもGEO先行レンタルになってます。マーメイド版『17歳のカルテ』。すごく良い。
『Mermaid Down』
— ナオミント (@minmin70) 2021年2月20日
尾びれを切り取られた人魚が精神科施設に連れてこられる。そこには様々な問題を抱えた女性たちがいた……
17歳のカルテ×リトルマーメイド🧜シスターフッド要素を取り入れた独自解釈の人魚姫ダークファンタジー!
低予算ながら造形もしっかりしてて良き☺️独特の雰囲気がかなり好み! pic.twitter.com/7Ch4kcD9Cp
聖なる犯罪者
『ヘイター』のヤン・コマサ監督の新作。お話ももちろん面白いんだけど、ラストシークエンスがセンスの鬼。
『聖なる犯罪者』
— ナオミント (@minmin70) 2021年6月29日
法律を破らなければ罪人ではないのか?本当に自分は清廉潔白だと胸を張れるのか?なぜ自分だけは「安全圏にいる」と信じられるのか?
閉鎖的な田舎町を舞台に、人の心根にある「罪」に分け入っていく語り口が辛辣で痺れる。ラストシークエンスが破壊力抜群
今後も期待したい監督です pic.twitter.com/BkVdicsPLI
砕け散るところを見せてあげる
多分今年の偏愛枠。完全にnot for me案件のはずなんだけど、なんか心を掴まれちゃった。
石井杏奈ちゃん、去年の『記憶の技法』とかもめちゃくちゃ変な話なのに、妙な後味の残る映画だったんだよね。独特の空気感のある女優さんだね。
『砕け散るところを見せてあげる』
— ナオミント (@minmin70) 2021年2月12日
キラキラの青春が遠くに押しやった暗闇には、そこから抜け出せない少年少女の屍が横たわる
彼らを救い出すことができるのは本当はまわりの大人なんだけど、時に狭いコミュニティではそれさえもままならなかったりする
若者たちの強さと真っ直ぐさに、グッと来る🥺 pic.twitter.com/4tMNZ0Gmng
グレーテル&ヘンゼル
もうね、雰囲気最高。
ただ安易に童話をアレンジしただけじゃなくて、しっかりと意図のある改編が行われている。
過酷な時代に生きる女の子の運命についての物語。オズ・パーキンス監督は、もっと評価されて良い人だよね。
『グレーテル&ヘンゼル』
— ナオミント (@minmin70) 2021年4月2日
「It」のビバリー役ソフィアリリス主演、有名グリム童話を大人向けなフォークホラーにアレンジ🧙♀️グレーテルを姉、ヘンゼルを小さな弟に変更することで、年頃の女の子が辿る過酷な運命が見えてくる。ダークな美術、森のロケーションもとても良い
力強いラストも好き🤗良作◎ pic.twitter.com/zQ6QdWjzTk
『グレーテル&ヘンゼル』
— ナオミント (@minmin70) 2021年4月2日
監督は「フェブラリィ 悪量館」「呪われし家に咲く一輪の花」のオズ・パーキンス。水面下で何かが起きているような、雰囲気重視のホラーに定評がある方ですな☺️
DVD収録のストーリーボード(絵コンテ)もとても良い雰囲気だった!
不穏で美しい、少女の成長譚。 pic.twitter.com/2Lp9qeqs3h
お気に入りの日本未公開作品
毎年観る本数も少ないし、これまで観っぱなし放置で扱いに困っていた未公開作品。でも今年はそこそこ観ることができたし、特にお気に入りの作品だけでも発表しておこうかなーと!
Violation(2020)
これは多分、わたしの今年の年間ベストだと思います。おそらくよほどのことがない限り揺らがないでしょう。
カナダの男女コンビ監督による、アート系なレイプリベンジもの。いわゆるこれ系映画のアンチなんだけど、それでもちゃんとこのジャンルとしての嗜みも忘れていないという、なんだろう、うまく言えないけど衝撃が半端なかった。
今は多分、観る方法かなり限られてると思うんだけど、機会があれば色んな人に観て欲しいなぁ……。
おそらく日本公開は相当ハードルが高いと思われ(いろいろとモロ見えなので)。
『Violation』
— ナオミント (@minmin70) 2021年3月29日
A terrible betrayal that happened to a woman. Killed her heart, she plots her revenge……
Good technique for drawing "what happened to her" and "what she is doing now". It exposes our "deception".
Gross violence suddenly thrown.
That's what "violation" means. pic.twitter.com/4eDe6cB2Z3
この監督、短編もなかなか面白いの作ってるんだよね。この『Woman in stall』はYouTubeで視聴可能です。
『Woman in Stall』
— ナオミント (@minmin70) 2021年3月31日
女性がトイレの個室で着替えていると扉の前に立つ男が話しかけてくる。意図がわからず困惑する女性は、個室から脱出するため策を講じるが
『Violation』監督コンビによるサスペンスフルな会話劇🚻
我々を隔てているのは壁ではなく頑なに閉ざされた扉なのかも。でも、扉はいつ開く? pic.twitter.com/oZp1tpVBzo
Skull:the mask
殺戮の骸骨仮面がよみがえる!テンションがどうも狂ってるブラジル産スプラッター。もうね、めちゃくちゃ爆笑した。最高。
『Skull:the Mask』
— ナオミント (@minmin70) 2021年5月27日
古の呪われた骸骨仮面が覚醒し、現代のサンパウロを血で染め上げる!腸首締めあり、神父との戦いあり、火炎放射器あり🙌どこか懐かしテイストの米ブラジル合作血みどろスラッシャー🔪
ゴア描写や特殊メイクも素晴らしく、今この演出やる?令和ですよ?みたいなシーンばっか😂最高! pic.twitter.com/SfFHyYqytv
STARFISH
去年かな?一部ですごい話題になっていた作品。映像も音楽もめちゃくちゃ良くて、ほんと最後はブワッて泣いた。
日本版も出るといいな。
わたしの感想はこちら
Boys from county hell
伝説の祠におイタしちゃってなんかやべぇのがよみがえて阿鼻叫喚、っていういつものアレ。
とても楽しいし父子の絆も激アツ。
『Boys From County Hell』
— ナオミント (@minmin70) 2021年4月28日
ドラキュラの起源とも言われるアブハルタッハの伝説が残るアイルランドの田舎町。若者たちが怪物の墓を壊しちゃったから、さぁ大変!
ブルーカラーが土木魂で悪を討つ!?楽しい吸血鬼ホラコメ🤗
父と息子の絆が突き刺さる成敗方法に涙を禁じ得ない(笑いすぎて)とても良い! pic.twitter.com/sIcmqjDhMp
Becky
女子版『キッズ・リベンジ』みたいな、サイコキッズのグサグサリベンジもの。
監督は『ゾンビスクール』のジョナサン・ミロ&カリー・マーニオンのコンビ。ベッキーちゃんがめっちゃかわいいしカックイー!
テンポも良くてオープニングとエンディングも最高よ。
『Becky』
— ナオミント (@minmin70) 2021年4月7日
別荘で休暇中、ネオナチ脱獄犯たちに襲われた一家。難を逃れた娘のベッキーちゃんはDIY精神とサイコ根性を開花させ屈強な男たちに挑む!
殺られたら殺り返せ📏スカッと爽快復讐劇!ベッキーちゃんと一緒にザクザクしよう✏️
音楽と編集がキレキレでOPとEDもめちゃくちゃカックE!面白い好き🤗 pic.twitter.com/hOFHji3W18
Archenemy
『ダニエル』がとても良かったアダム・エジプト・モーティマーの日本未公開作。むしろ『ダニエル』より断然好みだったっていうね!
随所に差し挟まれるアニメーションも赤青のMandyカラー。しかしこの人、現実と虚構の対立、みたいな映画ばかり撮ってんのね。
『Archenemy』
— ナオミント (@minmin70) 2021年1月31日
ネタを探すWebライターが出会ったのは、自分は宇宙からきたと語るアル中のホームレス。彼は本当にスーパーパワーの持ち主なのか……?
マンディのプロデューサー、監督は『ダニエル』のアダムエジプトモーティマー。アニメーションを取り入れた赤紫ってるSFアクション!カッコ良い🤗好き pic.twitter.com/irW6LHUmPv
『ダニエル』の感想はこちら
The water man
病に冒された母親を救うため、どんな怪我も病気も治せるという伝説の「ウォーターマン」を探して少年と少女が森に入っていくキッズアドベンチャー。
はっきり言って映画としては今一つなんだけど、子どもたちの頑張りにキュンときちゃった。ほんと程よい感じのこじんまりとしたキッズ向けファンタジーで、『I KILL GRANT』や『怪物はささやく』的な内容なんだけど、オチがすごく安心する。
(どうやら7/9からネトフリさんで配信されるみたい!気になる方は是非~)
『The Water Man』
— ナオミント (@minmin70) 2021年5月30日
難病の母を持つ少年は、どんな病気も怪我も治せるという伝説の「ウォーターマン」を探して森に入る。しかし子どもにとって森はあまりに危険で……
幻想的な自然が美しいキッズ向けアドベンチャーファンタジー🧙♂️やっぱ武器は日本刀だよね~!お子さんが観るのに程よい映画🤗良き! pic.twitter.com/Pelxyd4qfR
今後の状況がどうなるかわかりませんが、下半期はもう少し映画館に足を運べるといいなぁ。
というわけでまた~!