ファンタスティック映画主婦

雑食つまみ食い系映画感想ブログ

映画主婦的2022年新作映画ベストテンとかいろいろ振り返り

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皆さまいかがお過ごすですか。忘れられたブログの墓場へようこそ(苦笑)。

 

いやー、今年はほんと忙しくて全然書けてない!けど毎年恒例の年間ベストだけはなんとしてもやらないと!!!

というわけでね、弱小ブロガーのわたくしめも皆さんに倣って映画ブロガーらしく年間ベストの発表とかしちゃったりなんかしちゃったりしますよ!

 

これまでの年間ベストはこちら。

 

 

 

 

 

 

ちなみに今年観た新作映画は200本でした。ただ最近は観たそばから忘れていくことが多くて(老化言うな)、できれば来年は150本くらいで抑えておきたいところ。多分そのくらいがわたしの脳のキャパ的にちょうどいいんだよ……。

 

  • 【選定基準】
  • 2022年に日本で一般公開(ビデオスルー・動画配信含む)された映画を対象としています。
  • 邦画洋画アニメ実写ジャンル等は不問です。
  • ブログ記事における★評価は絶対評価、ランキングは相対評価です。★3の映画が★4の映画より上にランクしていることもあります。要はわたしの★なんて気にしてくれるなよ、ってことです。

(今年観た主な新作映画たち)


というわけで、読んでも誰も得しない、映画主婦的年間ベストテン、さっそく~どうぞっっ!!!m9っ`Д´)ビシィッ

 

 

10位 謝ったって許してやるもんか

リベンジ 鮮血の狩人

REVENGE リベンジ 鮮血の狩人 [DVD]

男二人組に襲われた女性が森に逃げ込み本能のままに攻防を繰り広げる捻りのきいたリベンジスリラー。

 

上半期のベストにもしたんですが、この怪作っぷりはなかなか出会えないよね。ほんと好き。

 

わたしの感想はこちら。

 

 

9位 この映画を待っていた人たちへ

そばかす

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アセクシュアル/アロマンティック(他者に性的/恋愛的に惹かれない)の主人公を『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子が演じるヒューマンドラマ。

 

今年はこれまでになく、「アセクシュアル/アロマンティック」の表象が充実した一年だったのではないでしょうか。Netflixドラマ「インパーフェクト」「ハートブレイクハイ」や日本のドラマ「恋せぬふたり」などで、メインキャラとして「アセクシュアル/アロマンティック」を自認するあるいは自覚していくキャラクターが登場しました。

 

そんな1年を締めくくるのが本作。

正直なことを言うと完璧とは言い難い作品なのですが、この映画が作られたことの意義は大きいと思います。今後邦画でもさまざまな「アセクシュアル/アロマンティック」のキャラクターが生み出されることを期待しています。

ある映画館さんの紹介ツイートが感動的だったので、のせておきますね。

 

 

8位 おはようと、さよならと

おやすみオポチュニティ

おやすみ オポチュニティ

2004年に宇宙へと旅立った火星探査車「オポチュニティ」と「スピリット」。その偉大な功績と冒険を紐解く。

 

今年はドキュメンタリーが個人的にアツくて、SNSでも話題になった『画家と泥棒』、韓国のデジタル性犯罪の首謀者逮捕までを追った『サイバー地獄』、ある不妊治療医師の闇を暴く『私たちの父親』、タイ洞窟事故のドキュメンタリー『THE RESCUE 奇跡を起こした者たち』と『奇跡の13人』も見ごたえがありました。アニメーションの『FLEE』もドキュメンタリーの分類になるのかな。

 

中でもオポチュニティは突出して大好きでしたね。いやー泣いた泣いた。何がいいって、毎朝(地球時間ではなく火星時間)「目覚ましソング」の選曲が良すぎる!思わずプレイリスト探しちゃったよね。

 

 

7位 (すべての)子どもに責任を持つということ。

カモンカモン

カモン カモン[DVD]

叔父さんと甥っ子のふれあいを通して、「子ども」に対して当事者性を持つことの大切さを描く。

 

これはめちゃくちゃ泣いたし、本当に大好きな映画。伝わってきたメッセージがなんていうか、わたしが目指していることとも重なって、いろんな意味で感激した作品でした。

一番好きなのはホアキン・フェニックス演じる叔父が甥っ子くんとレストランでご飯食べてる時に「アイスの前にブロッコリー食べなさい」ってやるシーン。あそこで「テッテレー!叔父さんは当事者性を獲得した!」ってなったよね(大笑い)。

 

子どもを育てるとか守るとか、彼らのために何ができるのかを考えるっていうのは父性や母性とかを越えた「社会正義」みたいなものだとわたしは思っているのね。子どもを持つ持たないに関わらず、大人が次の世代に責任を持てるような社会が、わたしは健全だと思っています。

そういう大人になりたいなと改めて思える映画でした。

 

 

6位 記録は記憶、時間は思い出

アフター・ヤン

After Yang [Blu-ray]

一緒に暮らしていたロボットが故障したことから始まる、生と死、家族、愛、そして命と記憶の物語。

 

何がいいとかどこが好きなのかとか、そもそもどういう話なのかとかもうまく言えないんだけど、これは、見終わった後、世界が変わって見えるタイプの映画でしたね。まさにアフター「アフターヤン」。

ヤン役のジャスティン・ミンくんも素晴らしかったね。もうすっかりファンよ(チョロい)。

 

 

5位 クズ野郎はどんな時でもクズ野郎

バーバリアン

バーバリアン (字幕版)

民泊のダブルブッキングから見知らぬ男性と一晩同じ屋根の下で過ごすことになってしまった女性。しかし最大の問題は家の方にあったからさあ大変。

 

もうさいこう。先の読めない展開と有無を言わさぬライド感。複数の話が一つに収斂していくストーリーテリングの巧みさも相まって、わけがわからないうちに引き込まれちゃう。舞台がデトロイトの寂れた住宅街っていうところもいろんな想像を掻き立てられますね。同じ場所に盲目のタイエキ軍人がいるかと思うともう気が気じゃないよね(それ違う映画)。

 

あとはもう、ジャスティン・ロングの徹底したクズっぷりね。ジャスティンさんにはわたしから今年の「最高クズ賞」を贈っておきます。

 

 

4位 生も死も、現実。

ナイトハウス

ナイト・ハウス (字幕版)

夫の自殺を目の当たりにした女性がその死の真相を追ううちにこの世ならざるものとの対峙を余儀なくされる。『ザ・リチュアル』のデヴィッド・ブルックナー監督作。

 

この監督さんの死生観というか、あの世とこの世観みたいなものが個人的にはとてもしっくり来て、こういうの好きー!ってなったやつ。静かなホラーなんだけど、壁や家具を使ってトリックアートみたいに人影を浮かび上がらせたり、『透明人間』(2019)以上にユニークな透明演出があったりと、見せ方のアイデアが効いてる。

 

あと、主演のレベッカ・ホールが良すぎたね。夫が目の前で死んで悲しみより怒りが前に出てて、投げやりで危なげででも弱々しくて……っていう複雑なキャラクターをうまいこと演じてました。

今年はティム・ロスと共演した『Resurrection』ってホラー?スリラー?にも主演してるんだけど、この映画のレベッカさんもすごく良かったなぁ。

なんかもうすっかりファンになっちゃったので、来年は彼女の過去の出演作追っていこうと思ってる。そうですわたしはチョロい女ですよ(えっへん)。

 

 

3位 映画を撮る、ということ

NOPE/ノープ

NOPE/ノープ(字幕版)

父親が不可解な死を遂げたことから上空にあるUFOの存在を確信した兄妹は、その撮影を試みる。

 

映画を観て、こんなにワクワクしたのは久しぶりかもしれないって思った。完成度、メッセージ性、映像、その全てにおいて完璧な映画だと思います。それは作り手にとって「映画で何を伝えるか」が明確だから。

ジョーダン・ピール監督は映画を撮ることの特権性に自覚的で、それを使って自分は何ができるのかをを考えてる人だと思います。そういう姿勢が特に色濃く出ているのが本作だと思いますね。「Gジャン」の見た目もとても好き。

 

わたしの感想はこちら。

 

 

2位 あなたたちを抱きしめる

三姉妹

三姉妹 [DVD]

離れて暮らす三姉妹の現在と、彼女たちを未だ苦しめる過去。その繋がりは呪縛であり、連帯であると解く。

 

わたしに姉妹はいないのだけれど、この映画の三姉妹がわたしの姉妹だと思った。彼女たちがもしそばにいたら、抱き合ってその悲しみやつらさを分かち合えるはずだし、そうやって生きていきたいと思う。とても大切な映画です。

 

 

1位 これは、わたし「だけ」の映画

セイント・フランシス

映画パンフレット セイントフランシス

30歳独身女性がナニーとして働き始める。少女とその家族との交流はその人生に希望をもたらしていく。

 

時々「これはわたしの映画だ!」っていうやつ、あるじゃないですか。これはね、「わたしだけの映画だ」と思ったんですよね。そしておそらく、「あなただけの」映画でもあると思います。

見終わった後、「あぁ、わたしはずっとこういう映画を待っていたんだなぁ」と思ったし、きっとこれから先のわたしの人生に寄り添ってくれる作品だと思いました。

円盤が出たら買うつもりです!

 

 

日本未公開映画ベストテン

未公開映画は去年より少し多い42本観ました。今年は大好きな監督の新作や好きな世界観の作品に出会えましたね。

 

1位 The Innocents

 

超能力を持つ少年少女の残酷な日常。

今年の圧倒的1位。観たのは1月の結構最初の方だったと思うんだけど、思い返してもこれ以上「面白い!」と思えた映画も、「なんて映画なんだ!」と心を掻き乱された映画もなかったです。

 

子どもが主体の作品で、とにかくその無邪気な残忍さにフォーカスしてるので、個人的にはそういうのは観たくないんですよ。でも、先が気になって気になって……きつい!つらい!でも観たい!みたいな二律背反的な感情の中で見せられた映画でしたね……ほんと、すごい作品だと思います。

監督のエスキル・ヴォクトさんはトリアー甥の『テルマ』で脚本を手掛けた方ですね。

 

ちなみに、猫が酷い目に合うシーンがあるので苦手な人は要注意です。

 

2位 Everything Everywhere All At Once

3月に公開が予定されていますが、語りたかったからランクインさせちゃった!

経営の苦しいコインランドリーを営む人生どん底のミシェルヨーさんが、マルチバースの自分を行き来しながら確定申告と家族の和解を試みる……というあらすじからして意味不明だけど、ほんとそういう話なのよ!

 

今年観た映画の中で一番カオスな映画なのは間違いなくて、「何じゃこりゃ!」と大笑いしてるうちに気付いたら大泣きしちゃってるというね。心の中もカオスよ。

時々「あの時ああしていたら」とか「わたしの人生ってなんなんだろ?」なんて思ったりするじゃん。で、その先にあるのがマルチバースだ、っていうのがこの作品なんだけど、そのあらゆる可能性の人生を肯定することが、実は世界を救うことでもあるという話にもなっていくんだよね。そこにものすごく感動しちゃった。

絵面は『スイスアーミーマン』のダニエルズ監督らしくほんとバカバカしいんだけど(予想以上に超下らない下ネタがあるから苦手な人は気を付けて!わたしは爆笑したけど)。

 

賞レースでも話題になってる作品なので、おそらく来年の年ベスにいれる人もたくさんいることでしょう。わたしもまた映画館で観るつもりです。IMAXで!

懸念は、我が推しのハリー・シャムJr.さんが出演されているのでスクリーンを直視できるかということ……想像しただけで心臓が止まりそう。今から鍛えておかないと!(は?)

 

3位 Something in the Dirt

 

同じアパートに暮らす2人の男が陰謀論に傾倒していくSFスリラー。

 

大好きなコンビ監督、ジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッドの最新作。パンデミックのロックダウン中に「友だち」と作ったと語ってて、すごくミニマムな作りなんだけど彼ららしい壮大さもある映画になっています。

今年はジェームズワン製作のNetflixドラマシリーズ「アーカイブ81」、マーベルの「ムーンナイト」「ロキ」といった大作にも参加して、コンビにとって飛躍の年だったとも思うんだけど、これからも変わらずにこういう規模の作品を「2人で」作っていって欲しいなと思いました。これからも追い続けていきますよ!

 

どうやらクロックワークスさんが配給権を獲得しているみたいで、時期は未定ですが日本でも公開の予定があるみたいです。

 

できればもう一回観て、ブログも書きたい(予定は未定……)。


4位 Vesper

 

荒廃した地球で生きる少女の未来と希望。

今年の最高世界観大賞。生態系が狂い、奇妙な菌類や動植物が息づいている。こういうのを「バイオパンクSF」というそうですね。

わたしが特に感動したのはラストです。科学技術は何のためにあるのか、その希望を描いてる作品だと思います。

 

こちらもクロックワークスさんが配給権を持っているそう。来年には公開されるのかな?楽しみですね。


5位 Watcher

 

異国の地で夫と暮らすことになった女性。向かいのアパートの住人からストーカーされてるかも?と思い始め夫や警察に訴えるが……。

 

なんだろう。程度の差こそあれ、こういうのってほとんどの女の人が経験してるんじゃないかと思う。「あれ?」って違和感があっても「気のせいかな」「失礼かな」とか思ってモヤモヤしたままやり過ごす、みたいなの。

そういう「嫌な感じ」の表現がめちゃくちゃ巧すぎて、怖すぎて泣いちゃった(震え)。ホラーらしい演出はほとんど最後の方にしかないんだけど、個人的には今年一番怖かった映画です。

 

6位 Piggy

 

体型をからかわれる女の子がひょんなことから殺人鬼と接点を持つ。

 

いろんな意味で刺さった映画でした。

わたしの感想はこちら。


7位 Saloum

 

金塊を奪った傭兵が潜伏先で怪異に襲われる、っていう『フロムダスクティルドーン』や『スガラムルディの魔女』みたいな、ジャンルまたぎの映画なんだけど、セネガル映画っていう珍しさもあって、とても面白かった!

 

一方でアフリカの血生臭い戦争の歴史にも触れられていて、いわゆるエクスプロイテーションな映画ともまた違う雰囲気でした。


8位 She Will

 

かつての映画女優が休息のために訪れた土地の魔女の魂とシンクロしていく、フォーク系魔女ホラー。

 

雰囲気と撮影が抜群。去年観た『レリック 遺物』のような趣きもあって、とても好きな映画でしたね。


9位 Strawberry Mansion

夢の中の税金を徴収する男が、夢の中で恋に落ちる。

 

アナログでキッチュな世界観がかわいいファンタジーSF。すごく好き!

 


10位 Catch the Fair One

 

ネイティブアメリカンの元女性ボクサーが妹を誘拐した人身売買組織に近づいていくスリラー。

 

ネイティブアメリカンの女性が犯罪に巻き込まれるっていうことで『ウィンドリバー』のような雰囲気もありつつ、ノワールアクションな趣き。正直ラストはうーん……って感じなのですが、振り返ってみると良かったよなぁと思い。

主演のカリ・レイスさんはプロボクサーの方だそう。眼光が鋭い。

 

というわけで2022年はこんな感じ。

他には、新しいヒーローの姿を見せてくれた『ザ・バットマン』、12月に配信されて結局3回も観ちゃった『トロール』、ムキムキマッツが大暴れ『ライダーズ・オブ・ジャスティス』、シングルマザーと姪の逃避行『ドライビングバニー』もとても好きでしたね!

 

あと、ドラマも今年は色々観ることができて、記事を2つも書いちゃった「ハートストッパー」は結局何周したかわからないくらいドはまりしました。シーズン2も今月撮影が終了したそうですからね、楽しみです。

 

そして!今年のわたしの一番の大きな出来事と言えば、映画配信番組「めーぶれ」への参加です!!

こちらは、はてなブログで映画ブログ「小羊の悲鳴は止まない」

を運営されていたレクさん(@m_o_v_i_e_)が発起人となり、5月からツイッタースペースにて配信開始した番組になります。

背骨さん(@sebone_returns)、kikukoさん(@001Angela)、みぎさん(@migi_filmovie)という、ツイッター映画アカウントの方々とお送りしております。そうそうたるメンツに肩身が狭い!恐縮!(泣笑)

 

1月8日(日)の配信では、メンバーで年間ベストを決めます!お時間ありましたら、是非聞きに来てくださいませ~。公式のアカウント(@lamb_club_mb)もフォローしてくださると嬉しいです!

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そんなわけで、来年も素敵な映画に出会えますよーに!

ではでは皆さま良いお年を~(*・ω・)ノ