あらすじ
意気揚々とオープンしたムーン劇場だったが、上演したステージはことごとく外れ、もはや風前の灯。支配人コアラのムーンも銀行員から借金の返済を催促される毎日。起死回生とばかりに、ムーンは一般人参加のオーディションを企画。しかし賞金を書き間違えたことで参加者がふえてしまう。なんとか出演者は決定したものの、皆それぞれに問題を抱えており…。
実はかなーり前に観て、Blu-rayも買って、親子共に大好きな映画なのですが、感想書いてなかったのでちょっと短めに感想を残しておきます。一言で言うと、
めっちゃ良かったですわ!!
去年からズートピアとかドリーとか、擬人化動物モノは散々観てきたのでちょっともうお腹いっぱいな気分だったんですけど、いやいや、話は断然こっちの方が好きだった。
日本版吹替が、いいよ!
あとね、いつも大体吹替で観てるんだけど、最初は「このコアラ声優じゃねーな。でも、誰だ?」って最後までウッチャンだって気づかなかった!!(ネットや宣伝で見てたはずだけど、すっかり忘れておった)
長澤まさみもトレンディエンジェルもMISIAも、すごく良い仕事をしておりました。わたしは元々芸能人の吹替自体否定はしない派だけど、今回のは本当よかったんじゃないのかな。
以下ちょっとネタバレありかも〜
コアラに見る、理想のリーダー像
公式サイトCHARACTER | 映画『SING/シング』公式サイトブルーレイ&DVD8.2(wed)リリースより
コアラのムーンは劇場の支配人で、オーディションの審査員で、ステージのプロデューサーで、演出家で、座長で進行役で、要はトップに立たなきゃならない人物なのです。
でも、借金に追われるは、頼りはないは、その手腕に関してはほとほとダメダメ。擁護のしようがないです。
けれどもムーンには、人を見る目が確かにある。そして自分が選んだ人物を信じ、彼らを褒めて肯定する。「ステージ」への思いは人一倍純粋で、だからこそ彼が口にする「君は最高だ!」はおざなりな褒めそやしでも、おだてでもなく、心の底からの感嘆だと思えるのです。
それはもちろん、ステージの出演者たちにも伝わっている。気づけばみんな、ムーンの一言でやる気を出している。
このシーン大好き。予告編映画『SING/シング』予告編 - YouTubeより
彼を突き動かしているのは「自分の見たいステージを作りたい」という熱い思いだけなんだよね。その思いを知っているみんなは、全てを失ってもムーンに手を差し伸べる。お金だとか損得勘定ではないわけです。それが、ムーンの人徳なんだよね。
…と、こう考えると、もしやムーンは理想のリーダーなんじゃないかと思えてくる。高い志と理想があって、仕事に対して純粋で、部下の力を信じて好きなように仕事をさせる。でもって情けなくて頼りなくて、わたしたちが助けてあげなきゃ!って思っちゃう。…う、うん、上司だったら超大変かも!(笑)
主婦だって夢を叶えていい!
キャラクターたちの中で、わたしが一番好きだったのはやはり主婦のブタ、ロジータ。公式サイトCHARACTER | 映画『SING/シング』公式サイトブルーレイ&DVD8.2(wed)リリースより
ワンオペ家事育児に追われ、自分の時間を取ることもままならない…。そんなロジータが、自分の殻を破り、ステージ上で歌い踊る姿には感動すら覚えます。大人だって主婦だって、夢を叶えてもいいんだよね!世のママさんは彼女に勇気をもらえると思います。
他にも、引っ込み思案な象のミーナ、父親との確執があるゴリラのジョニーなど、誰かしら感情移入したくなるキャラクターが見つかるはず。それが多分本作の最大の魅力なんじゃないかなと思いますよ。
このシーンは何度観ても鳥肌が立ちます!予告編映画『SING/シング』予告編 - YouTubeより
というわけで、子どもは歌って踊ってわちゃわちゃする動物たちに大興奮だし、大人はキャラたち個々のエピソードに胸打たれるし、どの世代が観ても楽しめること間違いなし。
2017年のアニメ映画を語る上では外せない一作だと思いますよ〜。おすすめです!
作品情報
- 監督 ガース・ジェニングス
- 脚本 ガース・ジェニングス
- 音楽 ジョビィ・タルボット
- 製作年 2016年
- 製作国・地域 アメリカ
- 原題 SING
- 出演 マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソン、ジョン・C・ライリー