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レゴバットマン ザ・ムービー(吹替)ーー「仲間」と書いて「かぞく」と読む。3世代で楽しめるバットマン!★★★☆(3.6)

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レゴバットマン ザ・ムービー(字幕版)

あらすじ

 ゴッサムシティを守るため、日夜宿敵ジョーカーとの闘いに明け暮れているバットマン。しかしその本性は、寂しいぼっちの独身男ブルース・ウェインだった。彼は両親を暴漢に殺された辛い過去のために、家族や友人を持たず孤独に生きることを選んだのだ。そんなバットマンの前にひょんな事から彼の養子となった少年デイック(ロビン)がやってくる。ペースを乱されながらもデイックと協力するうちに今まで感じたことのない充足感を覚えるバットマン。一方、警察に自首したジョーカーは、バットマンに自らを「最強の敵」と言わしめるためにある計画を立てていて…。

 

 

 

 

レゴレゴしい前置き 

 実はわたくし、大人になってからレゴにハマったクチでして。無言でひたすらチミチミ作っていると時間を忘れちゃう。しかも不思議とこれがストレス発散になるんですよー。しかしシリーズもののキットの難点はパーツが多くなればなるほど値段が高くなるってところ…。

 「レゴバットマン」はレゴのキットとしてもともとあったものですが本作公開に合わせて「ザ・ムービ」仕様のレゴが発売されています。

 

レゴ(LEGO) バットマンムービー スカットラー 70908

レゴ(LEGO) バットマンムービー スカットラー 70908

 

 

レゴ(LEGO) バットマンムービー バットケイブへの侵入 70909

レゴ(LEGO) バットマンムービー バットケイブへの侵入 70909

 

誰かこれ買ってー!!

 

 そんななわけでたくさん持っているわけではないのですが、最近は黄色いバケツを新調して息子や甥っ子とヘンテコなロボットとかエセミレニアムファルコンなんかを作ったりして遊んでます。名古屋の「レゴランド」もいろいろ言われてましたけどね、落ち着いたら絶対行くつもりですよ。

 さて、そんなわたしは前作『レゴムービー』が大大大好きでして。オールタイムベストに入れたいくらい好きな映画なんですね。

LEGO(R) ムービー(吹替版)

LEGO(R) ムービー(吹替版)

 

  レゴの持ち味を最大限に生かし、かつ終盤にはあっと驚くサプライズもあって滂沱の涙。子ども心に帰れると同時に家族が愛しく思えるとても素晴らしい作品なのでした。作って壊してまた作って…そう、レゴってこういう「遊び」「おもちゃ」なんだよね!!っていう。

 まだ観ていない人は騙されたと思って是非観て欲しいです!「えー、アタシレゴとかちょー興味ないしー」とか言ってる人も、最後まで観たら泣くからまじで観て。

  そんな前作『レゴムービー』でも大活躍だったキャラクター、バットマンが今回の主人公。うーん、バットマンか…わたしバットマンあんまり詳しくないんだよな…。実はあんまり大きな声では言えないのだけれど、『ダークナイト』も観たことないんだよな…。

 

 ちゃんと胸はって観たことあると言えるバットマン映画ってこれくらいなんすよね(苦笑)。わたしは面白かったと記憶しています内容ほとんど忘れたけど(おーい)。

 

 というわけで、ちょっと不安もありつつも、春休み最後の日曜日に家族そろって鑑賞してきました。

 結論から言うと、バットマン知らなくても全然大丈夫だった!(でも知ってたらもっと楽しめると思う)あと、ロビン役の小島よしおがすごくよかった!すごくよかった!

 山寺宏一、沢城みゆき、菅生隆之などといった有名声優を前にしても全く引けをとらない仕事ぶりでしたよ。声優の仕事も増えるんじゃないかなー。て言うか是非もっとやって欲しい。

 ケンドーコバヤシとかサバンナの高橋とか、芸人さんで声優上手い人多いけどやっぱり芸人て普段からキャラを作っている人たちだからなのかね、見た目や顔ではない部分で演技できるのかも。「オレ洋画は字幕派なんで!」って人もよろしかったら吹替でも観てみてね〜(むしろ画面に情報量が多いので字幕だと追いきれないかも)。小島よしお史上最もかわいい「そんなの関係ねぇ」が聞けますよ(笑 …って別に聞きたくないって?)。

 

 それから、これ多分すごく重要(?)だと思うんですけど、本作は3世代で楽しめる映画です。レゴランドもターゲットは3世代同居の家族らしいので、本作もまさしくターゲットはそこなんじゃないかと。

 バットマンのテレビシリーズや映画の初期は60年代、ちょうど今のおじいちゃん世代が子どもだった頃からはじまっています。有名な「♪バットマ〜ン」のテーマ曲を口ずさみ黒いゴミ袋なんかを肩にかけて空き地でバットマンごっこをしていた人もいるのでは。そして今のパパは『ダークナイト』三部作やアメコミ映画の世代。もし子どもにとって本作が初バットマン映画なら、おじいちゃんとパパはこぞって子どもにいろいろ吹き込…否、教えてあげて、もっと仲良くなれるはず。世代に合った小ネタやギャグも満載なので、「おじいちゃんアレどういう意味?」「あぁアレはね…」なんて、鑑賞後にみんなで話し合うのも楽しそう。

 物語も、コミュ障の息子を心配するおじいちゃん(アルフレッド)、一人でがむしゃらに働くお父さん(バットマン) 、そんなお父さんに愛されたいと健気に振る舞う孫(ロビン)の三者が共闘すると言うお話なので、それぞれに感じいるところがきっとあるはずです。

 3世代同居の方は是非みんなで観てね!

 

 

 

以下ネタバレ〜。ちょっと長いよ!

『レゴムービー』の重大なネタバレも含まれていますので未鑑賞の方は注意して!!

 

 

 

 

 

とにかく楽しいレゴアクション!

 『レゴムービー』と言えば、やはり全てをレゴで表現したレゴアクション!!本作でも最初から全開です。老眼が始まりかかった目(苦笑)には彩度が高すぎ&早すぎてチカチカするんですが、これは本当にめちゃくちゃ楽しい!前作同様ピストルの弾道(って言うのかな?)や火花など、あらゆるものが全部レゴで表現されていて、ただただ圧倒。

 そしてレゴブロックの特性を生かした「壊して作る」描写。これぞ本当のスクラップアンドビルド、破壊と再構築!壊れた建物を使って新たな武器や乗り物を作り上げるシーンは想像(創造)力を掻き立てられ、レゴゴコロがワクドキです。ただ、前作にあったレゴのパーツ番号が出てくる演出が好きだったので、それがなかったのはちょっと残念だったかな。(アレ?なかったよね?)

 

 

前作同様「家族」の 物語。けれどそこにあるのは血よりも濃いつながり。

 パンツ一丁がどうだとか、そんなの関係ねー!だとか、いかにも子ども向けっぽいギャグな予告編からは想像できないくらい、実は本作は感動の家族ストーリーでした。
 バットマンという人は両親を殺された辛い経験から、「もう大切な人を失いたくない」「あんな悲しい思いをしたくない」と孤高を貫いている。決して群れることはなく、本来なら仲間のヒーローたちとも一線を置いている(本人の性格に難があるからでもあるんだけど)。そんな彼はずっと一人であるが故に、本当は重度の寂しがり屋でもある。その証拠に一人で毎晩人恋しくなりそうな映画をでかいホームシアターで見ているわけで。けれども、本人は強がってそれを認めようとはしないんですね。

 そんなバットマンに長年仕えているアルフレッドは彼の弱さを見抜いているし、案じてもいる。二人の間には確かな信頼があるのだけれど、でもそれ以上踏み込むことはない。
 そんな二人の前に現れたロビン。孤児の彼は愛を欲している。「父親に愛されたい、認められたい」という欲求のために、どんな無茶振りされてもバットマンに従いついて行く。そんなロビンくんは、バットマンを親しみを込めて「パードレ」と呼び、バットマンへの思慕を臆することなく伝えることで、バットマンの心の中へ分け入っていくのです。そんなロビンくんをバットマンも憎からず思いはじめます。
 けれども、ロビンくんを大切に感じはじめたことで、バットマンは彼を遠ざけようとします。もちろんそれは「大切な人を失いたくないから」。でも、その気持ちはロビンくんもアルフレッドも同じなんですよね。
 「あなたは彼らを守っているつもりだけど、守られているのはどっちかしら?」と極悪ゾーンの管理人(?信号機みたいなの)に聞かれて、彼らもまた自分を大切に思ってくれていると気づいたバットマン。大切な人を守るために遠ざけるのではなく、守るために共に闘う。…それは自分の弱さを認めることでもある。どんなに強い人でも、「君たちが必要だ」と誰かに頼ることも大事なんですね。
 ラストにはロビンに「パパ」と呼ばせてぎゅっとハグをするバットマン…トラウマを乗り越えより強くなった「パードレ(父親)」がそこにはいました。
 エンドロールで「son、father、grandfather」と三人が並ぶのも感動的だったな。
 でもこの三人、実際には血のつながりはないわけです。でも互いに思い合う気持ちには血縁なんて「そんなのカンケーねー!」わけですよ。

 

 

実質ヒロインのかわいいジョーカー

 本作に出てくる宿敵ジョーカーは、とにかくバットマンが大好き。バットマンに振り向いて欲しくて構って欲しくてあの手この手…ってその姿はつれない彼を振り向かせようとする女子そのもの…(笑)。

 この二人の関係は、わかりやすく言うとアンパンマンとバイキンマンです。

 悪役は必死にヒーローを倒そうとする。ヒーローはそれをひたすら阻止する。相手がいなきゃケンカが出来ないのとおなじで、実は相互に補完しあっている関係なんだけど、バットマンは頑なにそれを認めない。自分の存在を否定され傷ついたジョーカーは、極悪ゾーン(歴代の悪役が捕まっている異次元空間みたいなもの)の悪者を解放し「ゴッサムシティ」ーつまり彼らのレゴ世界そのものーを破壊しようとまでする。そこまですればきっとバットマンも自分を「最大の敵」だと認めてくれる!と。彼の行動原理の中心には常にバットマンがいるんです。

 

 闘いの中でバットマンはロビンやバーバラ(バットガール)、アルフレッドという仲間を持ち、自分は一人で生きているわけではないと気づいたことで、最後にはジョーカーの存在も認めることができます。「おれにはお前が必要だ」と、ゴッサムシティの危機を協力して救うのです!…と言ってもやったのは体をつなげて地面をくっつけるというのが絵的にはおかしいんだけど(最後の「カチ!」が最高です 笑)。

 「嫌よ嫌よも好きのうち」てなもので、ラストの大団円ではお互い「嫌いだ嫌いだ!」と言い合って相思相愛の仲に(笑)。うーん素晴らしいではないか!!

 

 

このレゴを作ったのは誰?

 わたしが『レゴムービー』で感動したのは、終盤、現実世界とリンクし、実は全てが子どものエメットくんが作り上げたレゴの物語だった、というところ。エメットくんが仕事ばかりのパパ(=お仕事大王)と遊びたいという気持ちから始まっていたんですね。

 本作でも同じようなサプライズがあるのかな?と思ったのですが、現実でレゴを動かしている人物が描かれれることはありませんでした。

 ただ、地面の下の色の様子だったり極悪ゾーンへの入り口の感じが『レゴムービー』とよく似ていたので、おそらくこのレゴたちも「誰か」の創作物なのだろうと考えられます。

 「あなたの考えてることわかるの」などのセリフや同じことを同じタイミングで言ってしまうなどの行動をとるミニフィグたちは、おそらく同一人物が操作している(遊んでる)のでしょう。銃声が「ピュンピュンピュン!」なのはつまり今作も前作同様「子どもがレゴで作った世界」だからなのかな、と思いました。「頭」を使うラストの展開もね、子どもらしい発想なので。

 

 バットマンとジョーカーのやりとりを見ていてわたしが思ったのは、きょうだいで遊んでいる説。きょうだいって、けんかは絶えないし嫌いだ!と思うことも多いしなかなか素直になれなくて、こじれちゃうこともしばしば。でもあいつがいないとなんだか寂しい…。嫌いだ嫌いだといいながらも、なんだか楽しいのもきょうだいならではなのかなぁ、と。あと、バットマンやロビンが血縁がないのと同様、もしかしたら遊んでいる子どもたちも血のつながりのない家族(ステップファミリー?)なのかもしれません。…って全然見当違いかも(汗)。

 この件に関して、「こうだよ!」って考えをお持ちの方がいましたら是非教えてください!

 

 

最後に

  有名映画の悪役(ハリポタのヴォルデモード、グレムリン、ジュラシックパークのT-REXとベロキラプトルにマトリックスのエージェントスミスまで!)がわんさか大暴れするなんて展開はレゴならでは。特にキングコングは、ちょっと前に『髑髏島』で観たばかりだったので余計に楽しかったな。ちなみにバットマンが「隣のマニアに聞け」と言っていたのは、イギリスの大人気ドラマ『ドクター・フー』に出てくるエイリアンの「ダーレク」のこと(口癖は「エクスターミネート(抹殺せよ)!」です)。ロボットではなく外見が金属なだけで中には一応、生命体が入っているのですよん。

ドクター フー ダーレク型貯金箱

ドクター フー ダーレク型貯金箱

 

 

 ただ、前述の通り、わたしはバットマンはMr.フリーズしか観てないのでほとんどの悪者を知らないから、その辺りのネタを知ってたらもっと楽しかったのかなぁと思いました。バッツリテラシーを上げてから再チャレンジしようと思います。

 

ダークナイト (字幕版)

ダークナイト (字幕版)

 

逃げてないでそろそろ観るか…