あらすじ
死者の脳の記憶を可視化するMRI技術を用い、犯罪の解決を図る特殊犯罪捜査チーム、通称「第九」。若きエリート、蒔剛(生田斗真)を筆頭に曲者ぞろいの面々がそろうその第九に、新たに配属されてきた青木(岡田将生)だったが、着任早々MRI捜査の想像を絶する光景を目の当たりにして…。
メンドクサイ前置き
わたしは清水玲子さんの漫画が好きで、この原作も全巻持っているくらい好きなのですが、ただ、わたしは「映画は映画、原作は原作」と割り切っている方なので、巷の原作至上主義の方々と違って、役者とキャラのイメージが違う!なんて無粋なことは言いますまいよ…言いますまい…。
…やっぱり無理っ!!
生田斗真は蒔さんじゃねーよっ!!
映画化発表があってからずっと「違ぇーよー違ぇーよーーーまじわかってねーよーーー!!キャスティングした奴出てこいよ!」とイライラしてたんですけどね(苦笑)。でもまぁ、 予告編がなかなか悪くなかった&主題歌が格好良かったので、TOHOシネマズのポイントを使って観てきましたよ。
感想を一言で言うなら…
「あれ?ホラーだったの?」
生田斗真、岡田将生、松坂桃李と、イケメン三人衆揃えて完全に女性ウケ狙って作ったんでしょうが、中身はグロ&ホラー路線です。血のり耐性のない方は覚悟して観に行った方がいいです。(松坂桃李くんはいきなり血みどろで登場します!)
以下ネタバレ。
原作についても少しだけ触れています。あと、あんまり褒めてません。
ツメコミ&ムリヤリ&ツッコミ
話は原作の「絹子編」と「貝沼編」を無理くり繋げて一つにした感じ。この二つの事件は原作でも重要な話なのですが、いかんせん、繋げ方に無理矢理感があり過ぎる。
事の発端は絹子の父、「露口一家惨殺事件」の犯人である露口浩一の死刑が執行され、行方不明となっている長女絹子を捜索するためにその脳をMRI捜査する事から始まります。
浩一の脳内映像には家族に刃物を突き立てる絹子の姿が映っており、実は真犯人は絹子で、浩一は娘の罪を被っていただけだったことが判明。そして、絹子の関係者を追う過程で、蒔と因縁のある貝沼清孝死刑囚の存在が浮上。蒔は過去と決別するため、そして事件を解決するため、全てを見て死んだ元同僚、鈴木(松坂桃李くんね)の脳をMRI捜査することを決める…という流れ。
うん、無理くりつなげたね!(笑)
貝沼と絹子はある場所で出会っていて(カルト的な何か?)、貝沼に半ば操られるようにして絹子も殺人に手を染めるようになった…と取れるような描写があり、もしかしたら他にも貝沼シンパがいるのでは?と思わせて終わります。
また、青木の家族は惨殺された(父親だけは一命を取り留め、植物状態にある)という設定になっており、その事件は未解決のままっていう…。青木が辞表出して終わるのもすっきりしないしね…。なんていうか、どれもこれも何にも解決してないんだよなぁ。続編orドラマ化に繋げるつもりだったの?
わたしが原作を知っているからなのかしら。すっごい意味不明感あったんだけど。
原作読んだことない人はこの辺りすんなり受け入れられているのかなぁ?でも、栗山千明演じる雪子さんと蒔さんの関係性とか、岡部さんの立ち位置とかは原作知らないと補完できない気がするんだけどねぇ…。
あと、オリジナルキャラの大森南朋に関しては、捜査の役に立つどころか完全に邪魔になってるし。
彼がね、とても真面目で誠実な刑事で、出来心で遺留品取っちゃった罪悪感と、脳の記憶を見たせいでおかしくなっていって…ってなるなら最後の展開もまぁありなんだけど、最初からこいつ、性格歪んでていけ好かない奴なんだもん。死んじゃっても「自業自得でしょ、ケッ」とか思っちゃう(大森南朋に罪はない、あくまで役柄のせい)。
もう一人のオリジナルキャラ、リリー・フランキーは完全に「凶悪」要員でしたね。嫌いじゃないけど!
そもそも、この映画の主題がよくわからないんですよ。
ミステリー部分も微妙だし(犯人はわかってるからね)、サイコパスの二人にも迫力がないからサスペンスとしても中途半端。
「誰にでも暴かれたくない秘密がある」ってしたいなら蒔さんが鈴木を殺したことは鈴木の脳を見るまで観客にも知らせない方が良かったし、絹子が父親と関係したことも最後までわからないようにすれば「これが”秘密”だったか!」となったんじゃないかなぁ、とかね。
盲導犬の映像をラストに持ってきたのも、取ってつけた感があって微妙だった。原作はとても面白いのに…なぜなの?
過剰なホラー演出(夢オチが2回!)ばかり力が入ってて、話はただ長いだけでまとまりがない…ってヤバい、悪いことばっか書いちゃってるな。
いいところも挙げよう。
まず、キャストの皆さんはとても頑張っておられたと思います。
生田斗真くんも、違ぇーよ!ってブチ切れちゃったけど、あれはあれでよかったんじゃないかな。ただ、ワイシャツの下に着ていたアンダーシャツの説明はしても良かったんじゃないかと(一応原作では四六時中防弾チョッキを着ているって設定です)。
岡田将生くんは相変わらず爽やかなイケメンですねー。ほんとスーツがよく似合う体形だわぁ~ほれぼれ。
あと、岡部さん役の平山祐介さんはハマっていたと思います!ほぼ空気だったけどね…。
絹子を演じた新人の織田梨沙さん、演技の方は何とも言えませんが、文字どおり体を張った濡れ場はなかなかエロくてよかったです。
吉川晃司も全然100%貝沼ではないけれど、印象には残りました。カラコン効果?
やたら煽ってくる音楽も、好き嫌いは分かれそうですが(時々うるせぇ!とは思った)、わたしは嫌いじゃないです。
街の灯りが脳内神経回路へと移行するタイトルシークエンスは文句なしに格好よかったし、第九のセットや絹子の家など、美術関係やロケーションはよくよくこだわり抜かれていたと思います。
でもね。
映像を魅せようとした意図は、よくわかるんです。でも…脚本のせいなのか演出のせいなのか、カタルシスがない!やたらに長い!くどい!と、悪いところばかり気になっちゃって。
うーん。なんか、いろいろ惜しいっていうか、なんでこんなになっちゃったの⁇っていうところが多かったです。
そんな感じでした。
原作はめちゃくちゃ面白いです。
大友監督作品。「るろうに剣心」は1作目しかわたしは観ていませんが、こっちは本当につまらなかった…。ちょっと今作と雰囲気似てますね。
作品情報
- 監督 大友啓史
- 原作 清水玲子
- 脚本 高橋泉、大友啓史、イ・ソクジュン、キム・ソンミ
- 音楽 佐藤直紀
- 製作年 2016年
- 上映時間 149分
- 製作国 ・地域 日本
- 出演 生田斗真、岡田将生、吉川晃司、松坂桃李、織田梨沙、大倉孝二、栗山千明、リリー・フランキー、斎藤純一郎、椎名桔平、大森南朋