以前、「パシフィック・リム」の記事で書いたのですが、わたしはVSゴジラ世代でして、一番好きなゴジラ映画は「ゴジラVSメカゴジラ」なのであります。
ゴジラの顔も見た目もキングギドラ以降のゴツゴツ&筋肉質な感じが好きだし、熱線も迫力があって一番かっこいいと思うの。
これはVSメカゴジラ。何気に男前。
ちなみに、一番好きな敵怪獣はビオランテでございます。
花獣形態の不気味さがたまらない。触手で人を襲うところなんて子どもながらに恐怖だった。ただし、歴代の敵怪獣の中では戦闘力が一番低いと言われている…。
昭和ゴジラに関しては、リアルタイムで観ておらず、数える程しか観ていないんですね。なので、やたら怪獣がたくさん出てくる「怪獣総進撃」とか、「怪獣大戦争」や「エビラ」のコメディ路線(?)なノリがどうにも合わず、「やっぱ平ゴジだよな〜」と、古参のゴジラファンから刺されかねないようなことを思っていたのでした(スミマセン...)。
ミレニアムに関しては1作目のみ一応観ましたが、当時は多感なティーンエイジャー(笑)になっていたこともあり全く乗れず、合成感バリバリの都市シーンで一気に冷めてしまって、己の「ゴジラ卒業」をはっきりと痛感したのでした…。ミレニアムゴジラの造形もあまり好みではなかったのだよね~。
口が、デカすぎんだよっ!!(←これはシンゴジにも言いたいところ)
さて。いよいよ公開間近となった「シン・ゴジラ」を前に、それぞれのシリーズ一作目、1954年版・1984年版「ゴジラ」と、「ゴジラ2000ミレニアム」を改めて観返そうと思いました。
ただ、所詮は平ゴジをリアルタイムで観ていただけの思い入れですから、そこまでゴジラや特撮に詳しいわけではないのです...。そこら辺は「ポンコツ三十路の戯言」だと思って、あたたかい目で読んでもらえるとありがたいです~。
このドラえもんのような感じでお願いします。
以下三作品のネタバレありです。
やはり名作だった1954年版「ゴジラ」★★★★☆(4.8)
最初に観たのは小学校上がる前くらいだったのかなぁ?とにかく全編モノクロの映像が醸し出す雰囲気の恐ろしさに、震えた記憶があります(ゴジラの出現シーンなんて方法論は完全にホラーだよなと思う)。
その後も何度か観る機会はありましたが、 大人になってから観ると改めてそのストーリーの重さをずっしりと感じられます。
その悲壮感と絶望感は他のゴジラ映画より群を抜いています。もちろんその根底には戦争という悲劇が横たわっているわけで…ってこの辺りの話はわたしなんかよりもっと詳しく論じられている方がたくさん居りますから何も言うまい。
銀座でゴジラ襲撃に震えている母子が「もうすぐお父ちゃまのところへ行けますからね…」と言うシーンの切なさよ。おそらく「お父ちゃま」は戦死(あるいは空襲で死んだか)したのだろうと思われる。
また、追悼の歌を歌う子どもたちのシーンなども、省いても物語上は全く支障はないところなのだけれど、それがあることでより一層悲劇性が増すと言うか。これ、当時の人はどんな気持ちで観ていたのかな…。
焦土と化した東京やけが人であふれた病院の映像なんて、まだ終戦から10年も経ってないのに、人によっては戦争のトラウマが再燃してしまったのではないかと。
ちなみに、登場人物の中で好きなのは…
やはり、キャラ立ちのする芹沢博士!隻眼の科学者ってだけで萌える。
「オキシジェン・デストロイヤー」を使ってゴジラを倒した後は、その兵器化・武器化を危ぶみ、共に自らも海の底に沈むことを選ぶ。男前過ぎる!!
そして、ゴジラの生態的研究の重要性を訴える山根博士。演ずるは名優、志村喬。
映画は「あのゴジラが最後の一匹とは考えられない。もし水爆実験が続けばゴジラの同類が世界のどこかに現れるかもしれない…」という博士の呪いのような呟きで幕を閉じる。
そんな山根博士が予言したように、日本もアメリカも度々ゴジラに破壊されることとなるわけですが…。
ちなみに、河内桃子さんは平ゴジラストとなる「 VSデストロイア」でも今作と同じ山根恵美子役で出演しています。
独身を貫いているということは、恐らく本当に愛していたのは芹沢博士だったのでしょうね。
第1作のテーマはやはり反戦・反核。そして行き過ぎた科学技術はやがて人類を滅ぼすという警鐘ですよね。その精神性は平成ゴジラでもしっかり受け継がれていると思います。2014年のアメリカ版「GODZIILA」はその辺りをガン無視していたのでね…。シン・ゴジラはどのように描かれるのか、注目です。
謎展開と迷台詞が満載だった1984年版「ゴジラ」★★☆(2.5)
これはほとんど内容を忘れていて、改めて観直してみたら「こんな話だったっけ⁈」の連続。なんじゃこりゃ?展開が目白押しでした。
一応、54年版ゴジラの30年後という設定で、第一作以外の昭和シリーズはなかったことになっており、「かつて日本がゴジラに襲われた」ことは周知の事実となっています。
ゴジラの造形は昭和ゴジラを引きずっているような感じ(引き継いでいる、ではない) 。
目は大きめ。体もどこかずんぐりむっくりしている。
「日本がアメリカ(西)とソ連(東)の板挟みに!」という当時の国際情勢も盛り込み、核兵器使用の是非なども議論されるなど、いかにも社会派を意識した作り。が、いかんせん政治家のおっさん共がやいのやいの話しているシーンがあまりに冗長でね…ゴジラと戦う前にわたしは睡魔と戦ってましたよ。
あと、頂けなかったのはゴジラが渡り鳥に反応していた、と宅麻伸が主張するシーン。
宅麻伸「鳥だ!…ゴジラが鳥に反応していたように見えたんです」
教授「そうだ、きっとそうに違いない!」
…お前ら、学者じゃねーのかよ(笑)。科学的立証もなく結論出すの早くねーか?
それから、唐突に現れるムッシュかまやつと武田鉄矢の迷走っぷり。あと沢口靖子の大根っぷりに唖然としてしまう(笑)。
なぜかスローでゴジラに追われる武田鉄矢。このシーン必要?ゴジラに対する「田舎もんが!」「大男、総身に知恵が回りかねか」と言う迷台詞も飛び出す。
とは言うものの、なぜか嫌いになれないと言うね…。なんとも評価しづらいゴジラ映画でございました。
ただやはり残念なのは、伊福部昭のテーマ曲が一切ないこと!!もしこれがかかっていれば少なくともわたしの★は一つ増えたはず。
シン・ゴジラでは特に言及されていないみたいなのだけれど、やはりこのテーマ曲だけでも流れて欲しい。予告の鎮魂歌のような厳かな曲も嫌いではないのですが、言うなれば海老天あっての天丼、ミッキーあってのディズニー、あのテーマあってこそのゴジラ映画なのですから。
あと欲を言えば自衛隊マーチかGフォースマーチもお願いしたいところ。
意外と面白かった「ゴジラ2000ミレニアム」★★★☆(3.4)
そんなわけで、全く期待せずに再観賞したミレニアム。ところがどっこい、思いの外よかったのでした。やっぱり伊福部テーマの有無は大きい。
しかしやっぱり口がでかい。口裂け女かよ。
特にグッときたのは前半の久慈川でのゴジラ対自衛隊のシーン。
ゴジラ、滅多打ちに合います。
どかどかゴジラに打ち込まれる砲弾も景気がいいし、河口の空撮もよかったです。
ただねーやっぱりゴジラが新宿駅前を横切る時など、都市シーンの合成感はひどすぎる…。「ミレニアム」なのに!!
あと、大問題なのは阿部寛の「ゴジラーーー!!」ね。
思い出したけど、映画館で観た時にこのシーンで大爆笑してる人がいたよ。しかしそれも致し方ない…。
佐野史郎の役柄も愉快すぎて笑えてしまう。最後に「ゴジラ、お前は何故現れるんだ…」の無駄台詞は本当に萎えた。もう少し気の利いたことを言えないものか(笑)。
でもまぁ、出演者の方々は悪くないと思います。脚本が意味不明だっただけです。
科学的根拠やリアリティがない、なんてそんな無粋なこと、怪獣映画には言いたくないんですが、それにしたって宇宙人の描写は説明不足だし、爆破されようとしているビルに子連れを入れちゃう自衛隊とかあり得ないし、ゴジラがオルガの前に現れたのを「リベンジだ」とか言うのもなんだかなぁ?って感じ。
あと、エレベーターのワイヤーを素手で掴んで滑り降りたりなんかしたら、手の平はズタボロになるんじゃないですかね?
また、ゴジラを台風や地震のような災害と位置付けて、それを予知しようとする民間組織があるというのは斬新だと思いましたが(わたしはあまり好きではないけど)、この設定が後半にかけて全く生かされていなかったのは残念。ネットワークの仲間たちがあとから活躍するのかなーと思いきや、後半の出番はほぼ皆無だし。代表の篠田とその娘の妙な親子関係だけが悪目立ちしていただけだったように思う。
…などと文句ばっかり並べてしまいましたが、オルガの造形は結構好き&前述の自衛隊のシーンがよかったので、昔観た時より評価があがりました!
宇宙怪獣オルガ。グロテスクでなかなかいいじゃない?ゴジラの熱線で溶けた皮膚が再生していく様も生々しくていい。
これを機に他のミレニアム作品も観てみようと思います!!
いやはや、意外と長くなってしまった...。なので今回はこの辺で。
シンゴジに関して思うところはまだ書き足りないのですが、それはまたの機会に。