あらすじ
自然豊かなアイスランドのある村。そこではたくさんの馬と、それらと共に暮らす人間とが悲喜こもごもの物語を日々繰り広げている。住民たちからも評判の白い牝馬の持ち主は、黒い牡馬を持つ女性とお互い思い合っているがなかなかその一歩が踏み出せない。しかしある日、女性の牡馬が自分の牝馬に跨ってしまい…。
タイトルがいいよね。
馬たち、でも馬ども、でもなく。うまうま。
このタイトルだけで観たいと思った映画です。と言ってもわたし、乗馬経験は皆無だし、詳しくもないです。でも馬は好きです。あ、食べるのもね(笑)。
欧米の方々と日本人の馬への思いって隔たりがあると思うのだけれど、馬への愛情が、犬猫とも違うし、牛や豚とも違うってところは共通すると思う。
映画からはそんな、作り手の「馬愛」がひしひしと伝わってきて、なんだか無性に馬に会いたくなりました。
結構グロい。
一番好きなエピソードは馬じいさんとトラクターじいさんの対決の件。
PG12も納得の容赦ない描写がなかなかに愉快でした。ホラーでもないのに葬式が2回もあるって、どうなのよ(笑)。
そしてホラーでもないのにスプラッターなシーン(一部予告編にあり)もあるので苦手な方はご注意を。とは言え、エンドロール前のテロップによると、危害を加えられた馬はいないそうなので、動物愛護系の方はご安心下さい(笑)。
以下ネタバレあり。
人間の話はなかなかシュール。
前述の通り、わたしは馬シロウトなので、馬コミュニティについてもよくわかりません。
だから犯された(?同意の上っぽいからちょっと違うか)白馬が銃殺されたのはびっくり。そういう暗黙のルールがおそらくあるのね。
そして立派なイチモツを持つ黒馬は去勢されてしまいます…。
そんなわけでいい線いっていたおじさんとおばさんは馬のせいでなんだか気まずい雰囲気に。そして高物件なおじさんを狙う別のおばさんが現れ、黒馬のおばさんはやきもき。
この白馬と黒馬の持ち主二人が一応の主役ってことなんだろうけど、正直、わたしとしては初老の男女の色恋沙汰にはあんまり興味がわかなかった(笑)。なので最後、馬の放牧?に二人で行って、誰もいない(でも実はみんなこっそり見ている)場でおっぱじめる展開には口あんぐりでした。
「馬」の美しさを堪能しよう!
若い女騎手(名前ヨハンナだったかな?他の役名ほとんど覚えてない)が複数の馬を引き連れて行くエピソードもよかったですね。
轡のない裸馬に縄で即席轡を作って引いてくるんだけど、その一連の動作がとにかく格好いい。ヨハンナが気にいる青い目の馬も気高い野生って感じですごく美しかったです。
そう、出てくる馬々がみんな美しいんだよね。
交尾する馬、海を渡る馬、雪原をさまよう馬、腹を割かれる馬、草を食む馬…。ただ走ってるだけの姿もとても美しくて、自然を行く馬って本当にきれいだなぁ、と思いました。
エピソード毎に馬の目のアップが映し出されるのだけれど、わたしはそれを見てはじめて気が付きました。馬って、みんな二重まぶたなのね!てか、牛もそんな気がする。あれ、動物ってみんな二重なのかな?
ちなみにトータル馬二匹、人二人死んでます。そして馬一匹去勢、人一人失明。それでも最後はなんとなく大団円な雰囲気なのにはかなり笑った。
馬好き、大自然好きの方はぜひ~
こちらのアイスランド映画も過酷な大自然を堪能できる映画でした。主役は羊です。
やっぱり馬が好き★★★★
馬に変わっておしおきよ★★☆
馬はつらいよ★★★☆
総合★★★☆(3.8)
作品情報
- 監督 ベネディクト・エルリングソン
- 脚本 ベネディクト・エルリングソン
- 音楽 ダヴィド・ソール・ヨンソン
- 製作年度 2013年
- 製作国・地域アイスランド
- 原題 HROSS I OSS/OF HORSES AND MEN
- 出演 イングヴァール・E・シーグルソン、シャーロッテ・ボーヴィング、ステイン・アルマン・マグヌソン、キャルタン・ラグナルソン